異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』

暮らしのエネルギーの国際比較-6

米欧より断然少ない暖房用消費
日本の省エネは進んでいる?

2007年12月17日(月)公開
ダントツに少ない日本の暖房用エネルギー消費

 これまで、欧米先進国やアジア諸国における家庭用エネルギー消費の動向を見てきたが、今回は日本と欧米先進国とのエネルギー消費の比較を紹介しよう。

 まず、世帯当たりの年間エネルギー消費だが、米国のエネルギー消費量は1988年以降、減少傾向にあるものの依然として最も大きく、101GJ(ギガジュール=10億ジュール)となっている。英国やフランス、ドイツはいずれも70〜80GJ台であり、欧州連合(EU)のなかで比較的温暖なイタリアは50〜60GJとエネルギー消費が少ない。いずれの国も、日本のエネルギー消費水準を上回る値で推移している。半面、経年の推移をみると、増加傾向にあるのは日本だけであり、他の国々では横ばいか減少傾向を示している点にも注目したい。ちなみに、わが国の世帯当たりのエネルギー消費量は、1990年から2002年にかけて、41GJから47GJへと14%も増加している。
 

■横ばいや減少を示す欧米諸国に対して、日本だけが増加傾向に

日本と欧米先進国の世帯当たり年間エネルギー消費量の推移

欧米先進国が横ばいや減少傾向なのに対し、日本だけが増加を続けている。米国の数値が群を抜いて高いことにも注目だ(出所:ODYSSEE Databeseより住環境計画研究所が作成)
 

 世帯当たりのエネルギー消費を用途別で見ると、日本は暖房用のエネルギー消費が他の国と比べて著しく小さいことが特徴的である。日本の暖房用エネルギー消費量は13.5GJで、米国はその3.4倍、英国は3.7倍、フランスは4倍、ドイツは4.3倍、温暖なイタリアでも2.8倍となっている。もちろん、暖房用エネルギー消費は各国の冬の気候条件に大きく左右され、日本よりも気温の低い欧州各国は当然、エネルギー消費量が大きくなる。しかし、このような気候の差を考慮しても、わが国の暖房用エネルギー消費量は少ない。
 

■暖房用エネルギー消費に大きく影響する気候条件

日本と欧米先進国の月別平均気温

日本と欧米先進国の各主要都市の平均気温を見ると、日本の気温が高いことがわかる。春や秋の気温は日本とイタリアが近い値で推移している(出所:理科年表平成15年版より住環境計画研究所が作成)
 

 ただし、これは日本の暖房用エネルギー利用の省エネルギー化が進んでいることを意味するわけではない。実は、これまで触れてきたように、欧米先進国の暖房用エネルギー消費が多い理由は、全館セントラル方式が標準であり、かつ常時、暖房がなされているからである。仮に、日本が同じような状況になった場合は、少なくともイタリアと同レベルのエネルギーが必要となる。果たして日本の暖房は、欧米先進国と同じ水準になるのか、それとも現状レベルで充足されたとするのか。今後の暖房の在り方について考えさせられるところである。読者のみなさんは、わが国の暖房事情がこの先どのようになるとお考えだろうか?
 

■全館セントラル方式の普及が暖房用エネルギー消費に大きく影響

日本と欧米先進国の世帯当たり年間暖房用エネルギー消費

日本は全館セントラル方式の暖房設備が標準ではないため、暖房用エネルギー消費が極端に少ないことがわかる(出所:ODYSSEE Databeseより住環境計画研究所が作成)
 

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