異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』

進む家庭の省エネ化[前編]

「給湯革命」が
民生部門対策の切り札になる!

2007年7月30日(月)公開
高性能に見えても15〜17%の熱はムダになっていた

 民生部門の温暖化対策に、このところ注目が集まり始めている。家庭用の設備や家電製品は飽和しているように思われるが、メーカーによる技術開発は相変わらず活発だ。充足状態にあるかのように思われる家電製品でも次々と新型の商品が登場している。

 なかでも、最近、注目されているのが給湯器だ。給湯には、家庭のなかでも最もエネルギーをたくさん使用する。逆に言えば、給湯分野での省エネルギーが進めば、非常に効果的なわけだ。実は近年、相次いでこの分野の新商品が開発、販売され普及率を上げつつある。以下、順を追ってご紹介する。
 

■意外に多い給湯用のエネルギー需要をどう抑制するか

世帯当たりのエネルギー消費量の用途別内訳

家庭のエネルギー使用量のうち、給湯用が、ほぼ3分の1を占める(出所:家庭用エネルギー統計年報・2005年版、住環境計画研究所)
 

 家庭で使用されている給湯器は、ほとんどがガスや灯油を燃焼させるタイプである。これらの燃焼型の給湯器では、排気ガスを外部に放出しなければならない。その際に、熱も同時に排出されてしまうことになるため、どうしてもエネルギーのムダが発生した。従来型の給湯器は、いくら高性能であっても15〜17%程度の熱が捨てられていた。

 この熱をできるだけ逃がさないで利用しようとしたものが、「潜熱回収型給湯器」である。都市ガスと液化石油ガス(LPG)を燃料とするタイプは「エコジョーズ」、灯油を燃料とするタイプでは「エコフィール」という商品名で市販されている。

 これまで、熱の回収が難しいとされていたのは、排気ガスに含まれる成分に硫黄分などが含まれるため。ガスとして放出されている限りは問題ではなかったが、廃熱を回収しようとすると冷やされることにより凝縮されて液化してしまい、配管等の腐食を招く恐れがあった。配管を腐食から保護するには、錆びにくい高品質の配管材を採用し、強度の酸性物を安全に排出できるような構造にしなければならない。

 これらの問題点を解決したものが、この潜熱回収型の給湯器である。燃焼効率は95%とほぼ限界にまで高められており、省エネルギー率は従来型の給湯器に対して13%となっている。ただし価格は、従来の商品よりも割高となるため、現在は経済産業省の補助金が導入されている。都市ガス各社は、2010年に200 万台の普及目標を立てているが、予想を上回るペースで普及が進んでいる。
 

■潜熱回収型給湯器は都市ガス各社の期待を上回るペースで普及が進む

潜熱回収型給湯器の導入目標と導入実績の推移

導入目標を大きく上回るスピードで省エネ給湯器の普及が進んでいる(出所:社団法人・日本ガス協会)
 

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