異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』

進む家庭の省エネ化[前編]

「給湯革命」が
民生部門対策の切り札になる!

空気でお湯を沸かす? 注目の「ヒートポンプ」

 近年、最も注目されている給湯器の一つがヒートポンプ式給湯器であろう。ヒートポンプという技術は、私たちの家庭のなかで日常的に利用されている冷蔵庫やエアコンに使われている技術と同じである。エアコンで暖房を行う代わりに、お湯を沸かそうというわけだ。しかし、これまでのエアコンでは、せいぜい60℃程度の熱しかつくり出せなかった。これでは、お風呂への給湯などでは足りなくなる恐れがある。

 そこで開発されたのが、熱を移動させるときに使われる媒体を、エアコンなどに使われているものから変更したものだ。従来は、フロン系やブタン、アンモニアなどが使用されていたが、これに代わり二酸化炭素(CO2)を用いたヒートポンプである。エアコンなどと異なり、90℃を超えるお湯を供給することができる。ただ当初は、残念ながら効率は通常のエアコンと比べると若干低かった。

 しかし、最新のものでは、定格効率でCOP値(エアコンの効率を表す指標。値が大きいほど効率が高い)が4.0(1kWの入力で4kWの出力が得られる)を上回る製品が販売されるようになった。

 この給湯器は従来の深夜電力温水器(これは1kWの入力では1kWの出力しかない、通常のヒーター式のもの)に代わる商品として開発販売されている。したがって、電気代は深夜割引のうえ(昼間の電気代の約70%も割安)、さらに効率が従来型の温水器の3倍〜4倍であることから、月に給湯代が1000円程度になると言われている。

 この商品もこれまで紹介した給湯器と同様に、屋外器と貯湯タンクからなるシステム商品である。

 今回、家庭で使用するエネルギーの3分の1を占める給湯用エネルギーの省エネ化の現状について見てきた。次回はさらに、身の回りにある家電製品の省エネ効果について紹介していきたい。
 

中上英俊 氏中上英俊 氏 (なかがみ ひでとし)
住環境計画研究所 代表取締役所長 早稲田大学客員教授ほか

1945年岡山県生まれ。1968年横浜国立大学工学部建築学科卒業後、横浜国立大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了、東京大学大学院工学系研究科建築学専門課程博士課程修了。同年、住環境計画研究所を創設し現在に至る。工学博士。

役職としては、日本エネルギー学会理事、ESCO推進協議会副会長。政府機関の委員としては、経済産業省総合資源エネルギー調査会委員として需給部会委員・省エネルギー部会部会長代理・新エネルギー部会委員、環境省中央環境審議会臨時委員として地球環境部会委員・総合政策・地球環境合同部会委員ほかを務める。

共著書に『エネルギー新時代─“ホロニック・パス”へ向けて』(省エネルギーセンター)、『地球温暖化問題ハンドブック』(アイピーシー)『地球時代の環境政策』(ぎょうせい)など多数。専門分野はエネルギ−・地球環境問題、地域問題。

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