異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』

日本人は使いすぎているのか? [前編]

暮らしから考えると
日本の「先進性」が見えてくる

時間さえかければ、温室効果ガスは削減できる

 一方、同様にCO2排出原単位(CO2総排出量/GDP)の推移を比較すると、エネルギー消費原単位とは異なった推移が見て取れる。90年をベースに2004年までの改善率を見ると、もっとも改善率の高いのはドイツで32%の削減、以下、英国が30%、米国が22%、フランスが19%となっているのに対し、わが国は2%とほとんど横ばいである。しかし、2004年におけるGDPあたりのCO2排出原単位は、わが国を1.0とした場合、フランスは1.1倍、英国は1.4倍、ドイツは1.7倍、米国にいたっては2.1倍となっている。

■GDPあたりCO2排出量の推移

GDPあたりCO2排出量の推移

出典:エネルギー経済研究所「EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2007年版)」
 

 このような数値を見ても、わが国の削減目標が他の先進諸国と比べても大変厳しい値であったことが理解できよう。

 地球温暖化を止めるには、温室効果ガスの排出総量を削減しなければならないことは当然誰しも理解するところだろう。私も全くその通りだと思う。しかし、途上国を除外したことからもわかるように、各国が置かれた状況を衡平に評価検討して目標を設定すべきではなかったか、それが国益にかなうことではなかったかと今さらながらに思えてならない。すでに第2ラウンドであるポスト京都の議論が開始されているが、二度と前回のような徹を踏まないことを願うや切である。

 京都議定書の達成がおぼつかない状況で、果たして地球温暖化は止めることができるのであろうか? はじめにも述べたように、時間をかけて取り組めば決して不可能ではない。それでもなお困難さがあるとすれば、遅れてくる途上国の発展と、この問題をいかに両立させるかに最大のポイントがありそうだ。わが国に求められているのは、自国の排出削減を果たすと同時に、これら途上国への強力な支援を果たすことであろう。省エネルギーに限って言えば、間違いなくわが国は世界最先端に位置していることは間違いないのだから。この点についても稿を改めて例を紹介したいと思っている。
 

中上英俊 氏中上英俊 氏 (なかがみ ひでとし)
住環境計画研究所 代表取締役所長 早稲田大学客員教授ほか

1945年岡山県生まれ。1968年横浜国立大学工学部建築学科卒業後、横浜国立大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了、東京大学大学院工学系研究科建築学専門課程博士課程修了。同年、住環境計画研究所を創設し現在に至る。工学博士。

役職としては、日本エネルギー学会理事、ESCO推進協議会副会長。政府機関の委員としては、経済産業省総合資源エネルギー調査会委員として需給部会委員・省エネルギー部会部会長代理・新エネルギー部会委員、環境省中央環境審議会臨時委員として地球環境部会委員・総合政策・地球環境合同部会委員ほかを務める。

共著書に『エネルギー新時代─“ホロニック・パス”へ向けて』(省エネルギーセンター)、『地球温暖化問題ハンドブック』(アイピーシー)『地球時代の環境政策』(ぎょうせい)など多数。専門分野はエネルギ−・地球環境問題、地域問題。

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荻本和彦氏のコラム

この記事の目次
日本人は使いすぎているのか? [前編]
暮らしから考えると日本の「先進性」が見えてくる

エネルギー政策 日本/欧州

エネルギー消費 家庭部門

国際交渉 COP