異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

中国が内包する弱点――(2)

都市との格差で鬱積する農村の不満

2010年6月24日(木)公開
ため込まれていく“体制突き崩す力”

 「統治の正当性の希薄化」に次いで、中国の今の体制が抱える大きな問題は、「権力の濫用」や「成長の地域間不均衡」、それに「(所得や権利の)格差拡大の問題」である。

 「権力の濫用」は特に地方の行政組織、その幹部によって引き起こされている。中国で年間8万件以上発生していると見られる「群体性事件」(大規模デモ、スト、警察署襲撃、警官に対する集団反抗・攻撃・暴行、土地収用に反対する住民の座り込みなどの騒擾事件)のかなりの部分は、この「権力濫用に対する抗議」として起きている。また国全体では高い経済成長率(ここ数年は一貫して年率8%を上回り、時に2桁に達する)を誇るものの、とても社会主義の国とは思えない深刻な格差(所得格差、戸籍などに基づく都市住民と農村住民の権利格差など)が生じている。

 これら中国が抱える問題は、展開次第では「統治の正統性の希薄化」が進む現代中国では、いずれ体制維持にとって深刻な脅威となり、今の共産党一党独裁を突き崩す可能性を内包する。どの国でもそうだが、格差の拡大はその社会の安定性を損なう。そしていずれ「今の体制を突き崩す」パワーを蓄積する可能性がある。筆者が天安門にたたずむといつも、「この毛沢東の肖像は、いつまでここに掲げられているのだろうか」と思うのは、今の凄まじい経済成長の中でも、中国が内部に抱えている問題があまりにも大きく、中国の今の体制が行き詰まる可能性を強く意識するからだ。

 まず話を具体的に展開しよう。私の見聞を少し。2001年の事だ。仲間数人と日本から重慶に入って三峡下り(長江を船で下る旅)を数日楽しんで武漢に出て、上海経緯で日本に帰ってくるという旅をした。しかし私が三峡下りのクルーズ船のセーフ(貴重品保管庫)にパスポートを忘れた。武漢に到着した時に気が付いた。三峡下りの船は下ったあと、今度は長江を上る。これを繰り返している。三峡ダムが出来たら三峡下りは難しくなるということで、2000年代に入ってすぐに計画したのだが、その船の中にパスポートを忘れては出国できない。

 そこで武漢から三峡上りをするクルーズ船を逆に車で追っかけることにした。私とツアーガイドでタクシーを雇って。三峡上りの船が上りの途中の港に停泊する時間に合わせて、我々も北上するという旅だった。パスポートがその船のセーフにあることは、船長との連絡(当時で中国の携帯電話網は既に完璧だった)が取れている。きっちり追いつけさえすれば良い。

 この私にとっての「パスポート奪還作戦」で通過した道、沿道の村や家は、普通は観光客が入らない場所であり、私にとっての貴重な中国体験となった。道の沿道に広がる光景は、それまで私が上海や北京、それに成都で見てきた「中国の都市」とは全く別物だったのだ。
 

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この記事の目次
中国が内包する弱点――(2)
都市との格差で鬱積する農村の不満

エネルギー政策 日本/米国/欧州/BRICs

国際協力 途上国支援