異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

COP15前に大きな前進
米中そろっての目標値公表

2009年12月3日(木)公開
2大国の豹変に目を見張る1週間

 固唾(かたず)をのんで見守っていた私のような人間にとっては、意外感さえ伴うあっけない進捗(しんちょく)具合だった。発表された目標値には疑問もあるし、期待を裏切る面が大いにあるものの、今まで消極的だったこの2カ国の政治にとって大きな前への一歩だし、まだ道のりは遠いことは確かだが、世界にとってもかなりの前進だと思う。

 それはたった2日間で起こった。

 まず米国。ホワイトハウスは11月25日、温室効果ガス排出量を2020年までに2005年比で17%削減するとの目標を発表した。「オバマ大統領が今月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に自ら出席し、米国の数値目標として公約する」という。大統領自ら行くというのが、「米国の政策変更」を世界に印象付けるものとなろう。

 そしてその翌日、といっても時差があるので私の時間感覚では半日もたたないうちの26日に、中国政府が地球温暖化対策として、国内総生産(GDP)を一定額生み出すために排出する二酸化炭素(CO2)の量を2020年までに2005年比で40〜50%削減する目標を発表した。「40〜45%」という大きな数字には驚かされたが、それにはカラクリがあった。それでも、中国も政府要人の出席を確約し、「COP15に温家宝首相が出席する」と述べた。

 これは「米中発表の前に訪中していたオバマ大統領が、中国側とタイミングなどを摺(す)り合わせた共同演出」と見られてもおかしくない展開だった。または少なくとも相互に発表を事前に臭わせていた結果なのではないか、と思える展開だ。実際にその可能性はあるだろう。これまでは世界の温暖化防止努力のなかで、世界第1位、第2位のCO2排出国である米国と中国(最近その順番が入れ替わったが)をいかにその流れのなかに呼び込むかが大きな課題であったことを考えれば、11月の最後の1週間というのは「この2カ国の豹変(ひょうへん)に目を見張る1週間」だったといえる。
 

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この記事の目次
COP15前に大きな前進
米中そろっての目標値公表

エネルギー政策 日本/米国/欧州/BRICs

国際交渉 COP

国際協力 途上国支援