異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

ECOマネジメントサイト終了のお知らせ
当サイトは、3月31日をもちまして終了することになりました。ご愛読いただきました皆様に感謝いたします。当サイト連載中の主要コラムにつきましては、4月以降、日経BP社の環境ポータルサイトであるECO JAPANで引き継ぎ公開いたします。
ECO JAPAN
コンテンツ
特集
リポート
インタビュー
コラム
人と自然
フロントランナー
ECOラボ

 
テーマで読み解く環境問題
温暖化国際交渉、COP16の意義
今回のテーマ
温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
関連キーワード

コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

ブータンに学び始めた国も
先進国で広がるGNHの思想

2009年10月22日(木)公開
幸福を9要素に分解する

 これまで3回にわたってブータンという国、そしてその国が独自に育んでいるGNH(国民総幸福量)という考え方を紹介してきた。もっぱらブータン国内の動きの紹介だった。今までの主流だった「GDP(国内総生産)の伸び重視の成長」一辺倒の考え方が世界で環境を破壊してきたことを考えれば、このGNH重視の考え方が世界に波及するとすれば、世界の環境や環境保護の動きにも大きな影響を与えるだろう。そしてその影響の大部分は、環境にとってはプラスになるはずだ。

 この“GNH”という考え方は、先進国に住む我々にとっても非常に魅力的なことは、少し自分に聞いてみればわかる。読者の方々もそうだと思う。少なくとも興味は持てる。具体的にGNHなるものをどう計測するのか、そしてその引き上げをどう図るのかは別にして、GNP(生産)よりもGNH(幸福量)をしっかり視座に入れて経済運営し、実際にそれがうまくできれば今よりも環境保全の面でもましな世の中ができるかもしれないとも思う。

 なぜなら、「モノが豊かになっても心は貧しいまま」とか、「GNP、またはその伸び率重視の経済政策が行われている世界の先進国で、むしろ貧困が増加している」という事実は、否定しがたいからだ。ところが、日本の政治家で、「GNP重視の考え方はもう古い」「GNH重視でいこう」と声高に主張する人は私の知る限りまだいない。「考え方としてGNHは良いが、ではそれを経済政策としてどう実施するのか」「それによって物理的に貧しくなるのではないか」「失業はなくなるのだろうか」という不安感があるためだ。そういう筆者も、「GNH的な経済政策で国がうまく回るだろうか」という不安はある。「幸福」はあまりにも個々人で違うものだからだ。

 しかし 前回 のコラムで紹介したように、「幸福を9要素」に分解してみると、「これは指標化できるかもしれない」と思うものもある。改めて9要素を並べてみると、

  1. Living standard(基本的な生活)
  2. Cultural diversity(文化の多様性)
  3. Emotional well being(感情の豊かさ)
  4. Health(健康)
  5. Education(教育)
  6. Time use(時間の使い方)
  7. Eco-system(自然環境)
  8. Community vitality(コミュニティーの活力)
  9. Good governance(良い統治)

 

前ページ前ページ
 1   2   3 
次ページ次ページ
▲このページのトップ | HOME
松本龍・環境大臣 松本龍・環境大臣(11/02/10) NEW 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏(10/09/16)
経済産業省 大臣官房審議官 有馬純氏 経済産業省 大臣官房審議官
有馬純氏(10/08/16)
ピュー気候変動センター 国際戦略部長 エリオット・ディリンジャー氏 ピュー気候変動センター 国際戦略部長
エリオット・ディリンジャー氏(10/03/25)
経済産業副大臣 増子輝彦氏 経済産業副大臣
増子輝彦氏(10/01/25)
ブレークスルー研究所 マイケル・シェレンバーガー所長、テッド・ノードハウス会長 ブレークスルー研究所
マイケル・シェレンバーガー所長
テッド・ノードハウス会長(09/12/21)
各コラムニストの掲載記事一覧をご覧いただけます  
伊藤洋一の『BRICsの衝撃』 伊藤洋一の
『BRICsの衝撃』
植田和弘の『地球温暖化防止の環境経済学』 植田和弘の
『地球温暖化防止の環境経済学』
沖大幹の『水の惑星の未来』 沖大幹の
『水の惑星の未来』
荻本和彦の『低炭素エネルギーシステムの将来像』 荻本和彦の
『低炭素エネルギーシステムの将来像』
澤昭裕の『不都合な環境政策』 澤昭裕の
『不都合な環境政策』
筒見憲三の『カーボンマネジメント講座』 筒見憲三の
『カーボンマネジメント講座』
寺島実郎の『環境経済の核心』 寺島実郎の
『環境経済の核心』
十市勉の『資源Wars』 十市勉の
『資源Wars』
鳥井弘之の『ニュースの深層』 鳥井弘之の
『ニュースの深層』
中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』 中上英俊の
『暮らしとエネルギーと温暖化』
西山孝の『資源クライシスの深層』 西山孝の
『資源クライシスの深層』
野村浩二の『ポスト京都の経済インパクト』 野村浩二の
『ポスト京都の経済インパクト』
増田寛也の『低炭素City』 増田寛也の
『低炭素City』
御園生誠の『キーテクノロジー』 御園生誠の
『キーテクノロジー』
山口光恒の『地球温暖化 日本の戦略』 山口光恒の
『地球温暖化 日本の戦略』
山根一眞の『The環業革命』 山根一眞の
『The環業革命』
山本隆三の『市場が解く? 地球温暖化』 山本隆三の
『市場が解く? 地球温暖化』
   
 
荻本和彦氏のコラム

この記事の目次
ブータンに学び始めた国も
先進国で広がるGNHの思想

エネルギー政策 米国/欧州/BRICs