異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

ECOマネジメントサイト終了のお知らせ
当サイトは、3月31日をもちまして終了することになりました。ご愛読いただきました皆様に感謝いたします。当サイト連載中の主要コラムにつきましては、4月以降、日経BP社の環境ポータルサイトであるECO JAPANで引き継ぎ公開いたします。
ECO JAPAN
コンテンツ
特集
リポート
インタビュー
コラム
人と自然
フロントランナー
ECOラボ

 
テーマで読み解く環境問題
温暖化国際交渉、COP16の意義
今回のテーマ
温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
関連キーワード

コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

GNHがブータンで生まれた背景
気候風土、隣国の存在、そして宗教

2009年9月24日(木)公開
あらゆる場所にたなびく5色の旗

 ブータンに入るとまず驚くのは「旗」である。あらゆるところにある。家の上には必ず一旗あるし、家の周りにも実に数多くの旗がたなびいている。戦国時代(日本)の戦旗のような形をしている。よく見るとそれらは5色である。長く使っていて変色して白っぽくなっているものも多いが、基本は5つの色からなる。それぞれの色には象徴するものがある。

 白=風
 緑=自然(木)
 赤=火
 青=水
 黄色=土

 甲州(山梨県)は武田氏の「風林火山」を一瞬思い出したが、要するに5つの色はすべて自然を指す。そのくらい自然が強烈な国なのだ。九州ほどの大きさに65万人(それとて、はっきりしないらしい)が住むといえば余裕がありそうだが、逆に言えば「それしか住めないほど自然が強烈な、人間の生活を制約している国」ということだ。行っても行っても次々に現れる急峻な山とそれをおおう緑。深い谷の底を流れる川。その川に削られた崖。川に沿ってわずかに土地が開けると、人々は田を耕し、小さな街を形作り、やっとこさ空港も建設した。

 ちょっと違和感のある表現かもしれないが、ブータンを移動しながら、「あ、今自分は地球の皺(しわ)の中を移動している」と何回も思った。何億年前だかしらないが、インド亜大陸が北上してユーラシア大陸にぶつかった。そして更に上に(北に)押した。その時できた皺の一番高いところがヒマラヤであり、その最高峰がチョモランマだ。ブータンはヒマラヤのすぐ南にある。だからパロという唯一の空港に降り立つと、既に標高は2400mである。ブータンには広い平野も広い高台もない。地球の皺が続く。つまり山また山だ。山は緑に蔽われている。

 日本もある意味で「山の国」だが、同時に「四方を海に囲まれた国」でもある。対してブータンは内陸の「極限的山の国」だと言ってよい。道など造れそうもないのに崖のような所に狭い道を延々と造った。インド人が工事に当たったケースが多いそうだが(だからガタガタだとブータンの人は言う)、時速は出しても40km。一歩間違えば谷底に真っ逆さまが確実な左右に首を振るジェットコースターに乗っているのと同じだ。昔の移動はもっと大変だったはずだ。
 

前ページ前ページ
 1   2   3 
次ページ次ページ
▲このページのトップ | HOME
松本龍・環境大臣 松本龍・環境大臣(11/02/10) NEW 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏(10/09/16)
経済産業省 大臣官房審議官 有馬純氏 経済産業省 大臣官房審議官
有馬純氏(10/08/16)
ピュー気候変動センター 国際戦略部長 エリオット・ディリンジャー氏 ピュー気候変動センター 国際戦略部長
エリオット・ディリンジャー氏(10/03/25)
経済産業副大臣 増子輝彦氏 経済産業副大臣
増子輝彦氏(10/01/25)
ブレークスルー研究所 マイケル・シェレンバーガー所長、テッド・ノードハウス会長 ブレークスルー研究所
マイケル・シェレンバーガー所長
テッド・ノードハウス会長(09/12/21)
各コラムニストの掲載記事一覧をご覧いただけます  
伊藤洋一の『BRICsの衝撃』 伊藤洋一の
『BRICsの衝撃』
植田和弘の『地球温暖化防止の環境経済学』 植田和弘の
『地球温暖化防止の環境経済学』
沖大幹の『水の惑星の未来』 沖大幹の
『水の惑星の未来』
荻本和彦の『低炭素エネルギーシステムの将来像』 荻本和彦の
『低炭素エネルギーシステムの将来像』
澤昭裕の『不都合な環境政策』 澤昭裕の
『不都合な環境政策』
筒見憲三の『カーボンマネジメント講座』 筒見憲三の
『カーボンマネジメント講座』
寺島実郎の『環境経済の核心』 寺島実郎の
『環境経済の核心』
十市勉の『資源Wars』 十市勉の
『資源Wars』
鳥井弘之の『ニュースの深層』 鳥井弘之の
『ニュースの深層』
中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』 中上英俊の
『暮らしとエネルギーと温暖化』
西山孝の『資源クライシスの深層』 西山孝の
『資源クライシスの深層』
野村浩二の『ポスト京都の経済インパクト』 野村浩二の
『ポスト京都の経済インパクト』
増田寛也の『低炭素City』 増田寛也の
『低炭素City』
御園生誠の『キーテクノロジー』 御園生誠の
『キーテクノロジー』
山口光恒の『地球温暖化 日本の戦略』 山口光恒の
『地球温暖化 日本の戦略』
山根一眞の『The環業革命』 山根一眞の
『The環業革命』
山本隆三の『市場が解く? 地球温暖化』 山本隆三の
『市場が解く? 地球温暖化』
   
 
荻本和彦氏のコラム

この記事の目次
GNHがブータンで生まれた背景
気候風土、隣国の存在、そして宗教

エネルギー政策 BRICs

エネルギー消費 建築物/交通・運輸/家庭部門