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国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が閉幕した。地球温暖化問題における2013年以降の世界の方向を決める重要な会議であり、大排出国・米中の動向や途上国に対する支援システム構築など、注目すべき点は多かった。今回の交渉結果をどのように読み、今後日本はどの方向に進むべきかを提言する。

コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

やはり先頭を走り始めた中国経済
成長の質が問題

2009年7月30日(木)公開
社会不安を解消する成長率を求めて

 中国経済の「成長の形」を巡る議論がかまびすしい。つい最近日本でも話題になったのは、中国の今年4〜6月期の「7.9%」という成長率。これは国内総生産(GDP)の伸び率を対前年同期比で見たもので、第1四半期(1〜3月)の同6.1%増からの大幅加速である。この結果、今年上半期の同国成長率は7.1%という世界の主要国の中で例を見ない高い成長率となり、世界中の株式市場で注目の的となった。金融危機の影響が長引いている欧米や日本に比べ、中国の比較的早い景気回復は刮目に値する。

 その発表からしばらくして7月の下旬に中国政府から発表されて注目された数字は、「中国の4〜6月GDPの伸び率は、前期比で年率換算14.9%に達していた」という人民銀行の試算である。これは同行のマクロ経済情勢分析として発表されたもので、4〜6月のGDPを対前年同期比ではなく前期(1〜3月期)比ベースで見ると、その伸び率は季節調整済み年率換算で14.9%だったというもの。これは今年1〜3月の同伸び率よりもさらに6.4ポイント高い。つまり、中国の成長率は昨年10〜12月を起点に「順調に加速している」ということだ。

 中国は原則として実質経済成長率を対前年同期比で公表している。しかし、それでは足元の景気がどの程度変化しているかがわかりにくい。そのため、日米のように対前期比ベースに置き換えて人民銀行が試算した。その結果として、4〜6月の成長率が前期比14.9%という15%にニアミスする高さに達したということがわかった、というもの。その結果、「中国政府が目標に掲げる実質8%成長達成の可能性が強まった」との見方が台頭している。

 中国以外の世界の主要国は、日本を含めて成長率の持ち上げがうまくいかず、経済政策に四苦八苦している。そのような時に「8%という政府成長見通しの達成」の可能性が高い中国。「8%成長」というのは、中国が国全体として雇用を確保し、社会の安定を維持するために必要として中国政府が設定しているもの。具体的に言えば、中国は「8%成長」をしないと、失業が増え、社会が安定を欠く危険性があるということだ。

 昨年だけでも各地で8万件を上回る暴動が起きたとされる国だ。今でも職を失っている農民工(農業戸籍を持ったまま都会に出て労働に従事する人)を含めると中国全体の失業率は10%に近いとされ、加えて大学新卒の失業率は30%に接近するという異常事態。この状態を何とか解決する成長率がほしい。「8%成長」はあくまで最低目標なのだ。
 

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