異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

やはり先頭を走り始めた中国経済
成長の質が問題

いびつであっても“成長”を急ぐ

 当然内外からは「バブルが発生して危険」という見方が出ている。「中国経済バブル論」は最近の日本のマスコミでも頻繁に取り上げられる。筆者はしばしば中国に行っている身として、一部の中国人の反論を紹介しておこう。それは、「中国は戦後極めて貧しい水準から出発した。成長を急いでいる。急いでいるのだから、一部がバブルになるのはやむを得ない」というものだ。

 筆者はこの言葉を瀋陽の建設業者から聞いた。理屈はある。しかし、バブルとその破裂を繰り返しながらの成長は、ある時点で社会の安定を壊す。結果的には、中国国内で政府の政策、ひいては「政府の正統性」に対する不満さえ呼ぶ危険性がある。しかしそれでも今の中国政府は「雇用の重み」ゆえに、たとえそれが、いびつであっても“成長”を急がざるを得ない。

 そうしたなかで筆者がこの2週間で勇気づけられたのは、中国政府が「環境対策」を刺激策の一部として認識し始めたのではないかと思える動きを示していることだ。それはそもそも歪んでいる成長戦略のなかで、明るい一面かもしれない。しかし、それがどのくらい政策全体のバランスを是正できるかは今後の問題だ。

 この原稿執筆は、2日間に渡る米中戦略対話の最中となった。その席でオバマ大統領は、「米中で21世紀を形作る」と言明したという。日本や欧州には“癪に障る(しゃくにさわる)”言葉ながら、人口や軍事力を考えれば必ずしも否定できない。しかしそれは、米国と中国が背負う責任の重さでもある。中国は成長率では期待以上だ。しかし、「その質」となると依然として多くの問題を抱えている。
 

伊藤洋一 氏伊藤 洋一 氏 (いとう よういち)

1950年長野県生まれ。現在、住信基礎研究所主席研究員。金融市場からマクロ経済、特にデジタル経済を専門とする。筆者HPは http://www.ycaster.com/

幻 冬舎の月刊誌『ゲーテ』、共同通信社、『日経ビジネス』などに書評、エッセイ、評論などを定期寄稿。著書に最新刊として『ITとカースト:インド・成長の 秘密と苦悩』(日本経済新聞出版社)、『カウンターから日本が見える』(新潮新書2006年)。その他『上品で美しい国家』(ビジネス社 2006年)、『スピードの経済』(日本経済新聞社 1997年)、『ビッグバン時代のネット活用術』(東洋経済新報社 1998年)、『グリーンスパンは神様か』(TBSブリタニカ 2001年)。訳書に『グリーンスパンの魔術』(日本経済新聞社 2000年)『欧州の挑戦』(時事通信社 1992年)など。

現 在出演中の番組は、テレビ朝日「やじうまプラス×2」(毎週木曜日朝6時)、関西テレビ「ニュース・アンカー」(毎週火曜日、番組は午後5時から)、テレ ビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」(土曜日、月1回程度)、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」(毎週金曜日朝7時台)、ラジオNIKKEIの 「Roundup World Now」、「Asia today」、「マーケット・トレンド」など。

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