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国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が閉幕した。地球温暖化問題における2013年以降の世界の方向を決める重要な会議であり、大排出国・米中の動向や途上国に対する支援システム構築など、注目すべき点は多かった。今回の交渉結果をどのように読み、今後日本はどの方向に進むべきかを提言する。

コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

生産と設置で順位下げる
太陽光発電の失敗に学ぶ

2009年5月7日(木)公開
シャープが生産量4位に転落

 BRICsにとっては良いことだが、日本にとっては衝撃的な統計を最近目にした。

 4月20日の日本経済新聞の「量産競争 スピードが命」という記事。これは世界の主要な太陽光発電装置の生産量を企業別にランキングしたもの。最新統計で、どの国のどの企業が太陽光発電装置の生産で頑張っているか、順位はどうなっているかが一目でわかるものだった。

 私が目を奪われたのは、確か2006年まで世界最大の太陽光発電装置メーカーであった日本のシャープが、ドイツの成功企業として既に有名になっているQセルズばかりでなく、米国のファーストソーラー、そして中国のサンテック・パワーにも抜かれたことが示されていた点だ。その記事の中で示された順位は次のとおりである。

 1位 Qセルズ(ドイツ):8.2%
 2位 ファーストソーラー(米国):7.3%
 3位 サンテック・パワー(中国):7.2%
 4位 シャープ (日本):6.8%
 5位 モーテック(台湾):5.5%
 6位 京セラ(日本):4.2%
 その他:60.8%

 よく知られているように、Qセルズは会社設立が2001年。まだ10年もたっていない。ベルリンで技術者や科学者が設立して以来、ずっと順調に成長を遂げている。

 背景には、ドイツ政府がとった育成策がある。具体的にいうと、ドイツ政府は太陽光発電の電気を割高な価格で買い取る導入促進策を打ち出したのだ。その結果、ドイツで太陽光発電装置の需要が急増、これを受けて2004年から2008年までにQセルズは生産量を7.6倍に拡大し、その間に1.5倍の増産にとどまったシャープを抜き去った。なにせ日本は、その間、それまでやっていた国内での太陽光発電装置への導入補助金制度を取りやめた。その結果、自然エネルギーの太陽電池生産は停滞してしまった。日本のシャープはドイツのQセルズに当然ながら追い付かれ、そして追い越された。

 それでも「日本の技術は上」という意識が日本国内にはあるし、確かに「変換効率」(太陽光を電気エネルギーに変える率)は日本のメーカーの方が高いと言われている。しかし、それを実際の製品に生かせていないからこそ、日本のメーカーは他国のメーカーに追い抜かれているのだと言える。技術先行なのだ。しかし、生産しないと利益にはならない。
 

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