異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

G20会合に見る
BRICsと世界の今後

2009年3月19日(木)公開
BRICs諸国の影響力は急拡大

 3月17日、新幹線で東京から関西に移動している最中のことである。静岡を過ぎたあたりから、空がなにやら黄色くくすんだ色になってきた。よく晴れた真っ昼間である。これまで2回中国からの黄砂の話を念頭に置きながら書いてきたので、すぐに「あ、これは黄砂だ」と直感した。

 それにしてもすさまじい光景である。空全体が黄色というか、もうちょっと重苦しい暗さに覆われ、何か小さな粒状のものが空を舞っている。それを見ただけで、マスクをしっかりしている人々の気持ちがわかった。私はめったにマスクをしないのだが、この状態では着けたほうが良さそうだ。黄砂のため息苦しい感じがするのである。

 大阪に着いてタクシーに乗ったら、運転手さんが開口一番「今日は黄砂がすごいんです」と。そう言えば大阪は晴れているのに、空がくすんで見える。遠くのビルも空気も。「これは毎年のこと」とは言ってられない状況なのだ。「これで雨が降ると、もう車は拭いただけでは汚れが落ちなくなるんですよ」と。黄砂が小さな粒となって車体にこびりつき、それが取れない状態になるのだという。

 私は福岡の運転手さんが言っていたことを思い出して、「福岡はもっとひどいんですよね」と言ったあとで、これは「比較級」の問題ではないと気が付いた。日本全体で黄砂の被害はすさまじいのだ。大阪の運転手さんが「花粉というけれども、実際はこの黄砂でやられている人が多いのではないでしょうか」と言う。そうだろう。「ゴビ砂漠の自然現象」というには、あまりにもひどい現実を見てしまった感じがする。繰り返すが、中国、韓国、日本などが「堪え忍ばなければならないもの」としての黄砂をそろそろ真剣に考え直した方が良い時期が来ている印象がした。

 自然現象ばかりでなく、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の影響力の伸張・増大はすさまじい。それを感じさせたのは3月13、14日に英国で開かれたG20(20カ国財務相・中央銀行総裁会議)である。G20は世界の市場が注視していることを念頭に置いて、声明を出さずにはすまない状況だった。「決裂」の一文字が非常に怖いのだ。

 この世界経済混乱の折に、世界の85%のGDP(国内総生産)を占める20カ国の首脳が会談し、いくら4月初旬のサミット(主要国首脳会議)に向けた準備会合だといえども、「ある種の合意」なしで会議を終えることなど不可能な状況だったからだ。会議筋によるとG20は声明のとりまとめですごくもめたらしい。
 

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