


COP15、温暖化交渉を読む
コラム
伊藤洋一の『BRICsの衝撃』
中国を襲う干ばつと
人工降雨の危険性
前回のコラムでは、中国から飛来する黄砂や粉塵などの大気汚染が、同国と距離が近い福岡などの日本の各地域に大きな影響を与えているという話を書いた。タクシーの窓を拭いても拭いてもすぐ汚くなり、どう考えても光化学スモッグなど起こりそうもない五島列島で光化学スモッグが今年も発生する危険性があると考えれば事態は深刻だ。
ずっとこの問題は気になっていたのだが、その後問題を考えるうえで非常に有益なサイトがあることを発見した。
それは環境GISのホームページ で、環境GISとは全国の大気環境、水環境、化学物質の環境汚染の状況を地理情報システム(Geographic Information System: GIS)を用いて提供しようというもの。すでにご存知の方がいるかもしれないが、筆者は初めて気付いたということで紹介させていただく。
このサイトがおもしろいのは、筆者が前回取り上げた東アジアにおける広域大気汚染に関しても非常にわかりやすいマップを用意している点。
- 黄砂と大気汚染物質の濃度予測
- 黄砂
- 酸性雨
- 大気汚染物質の年間排出量
それぞれについて東アジアのマップが示されて、その上に色づけされている。これで見ると、黄砂など各物質の中国と日本をまたいで広がる状況が一目で分かる。例えば このページ を見ていただくと、黄砂と大気汚染物質の濃度予測分布(地上付近)などが一覧でき、
- 黄砂
- 硫酸塩エアロゾル
- 人為起源の微小粒子
- オゾン
などの広がり具合が理解できる。私が福岡で持った問題意識を丁寧にホームページ上で展開してくれている印象で、また黄砂に関しては高度を変えたマップまで用意されている。
前回も書いたが、環境問題や汚染は簡単に国の境を超える。こうした国を超えた地球の地域の地図がどうしても問題の本質を突くうえで重要であり、こうしたマップを目の前に置きながら、日本と中国は地域全体の環境問題に取り組むべきだろう。こうした地図が科学的に作られているのなら、中国も「関係ございません」では済まないはずだし、それが中国国内での環境保護論争に発展する可能性があるからだ。


人工降雨の危険性

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