異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

絶対必要な国際的枠組み
──福岡で思ったこと

2009年2月19日(木)公開
九州の黄砂と煤塵と光化学スモッグ

 ある地方の環境を改善しようと思ったら、その周囲も環境改善の積み重ねが必要だし、行き着くところ国際的な枠組みで環境をきれいに保全する取組み・枠組みが絶対必要だと改めて痛感した。

 講演の依頼があって、2月の中旬に福岡に行った。確か13日の金曜日だった。東京はあまり風が強くなかったのだが、福岡に着いたらまず凄い風に気付いた。加えて、温度の高さが気になった。空港からのタクシーの中で運転手さんに、「風が強いし、妙に暖かいね」と言ったら、「例年より早いんですが春一番だそうです」と言う。

 春一番が毎年いつ吹くかなんて私は正確には覚えていないけど、「福岡は嫌に早いな。東京はまだだろう」と思っていたら、気象庁によれば東京もその日に春一番が吹いたらしい。まあ、それはいい。問題はその後にタクシーの運転手さんが語った言葉である。

 「春一番はいいんですけど、黄砂とそれに加えての煤塵ですよね。春はちょっとほっておくと車の窓が汚くなるんですよ。すぐ拭かないといけない。これが大変なんです」と。私は「その煤塵は中国から来るモノですか」と聞いたら、運転手さんは「そうでしょうね」と応えた。

 小さい車の窓にそれとわかるほど降ってくる黄砂と煤塵。福岡、いや北部九州全体を同じような黄砂と煤塵などが降り注いでいるとしたら、たとえ春の時期が一番酷いにせよ、それは相当な蓄積・体積になるに違いない。黄砂と粉塵は街を歩いている人にも降りかかるし、ビルにも道路にもゴルフ場にも降り注ぐ。

 黄砂は中国大陸から運ばれてくるに違いないが、粉塵などは、工業地帯として名前を轟かせた北九州の沿岸地方の各種の工場から出ている可能性はある。しかし日本企業の粉塵対策や環境汚染対策は非常に進んでいる。それは昭和の30年代や40年代の日本各地で起きた公害、それを巡る訴訟で徹底されるようになった。

 北部九州を襲う粉塵などのかなりの部分が中国大陸から運ばれてくる事を示す調査は既に行われている。筆者が何よりそれが確実だと思うのは、なんとあの五島列島で光化学スモッグが観測されていることだ。五島列島には粉塵をはき出すような工場はないと聞いている。光化学スモッグが発生するのは、ここ数年でいうと北九州、山口など。いずれも中国からの偏西風に、陸地として最初に晒(さら)される場所だ。
 

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この記事の目次
絶対必要な国際的枠組み
──福岡で思ったこと

エネルギー政策 BRICs

国際協力 途上国支援

温暖化の影響 生態系/異常気象