異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

“環境”への視点をがらりと変えた
オバマ就任演説

2009年1月22日(木)公開
困難に取り組み米国再生へ

 第44代の米国の大統領となったバラク・オバマの就任演説(日本時間の1月21日午前2時すぎ)を聴いた2時間後にこの文章を書いている。世界的なグリーン・ニューディール運動の最大の推進者であるバラク・オバマ。その彼が大統領就任に当たって何を言うかにはひとかたならぬ興味を持っていたので、今回の原稿を書くに際しては彼の演説内容を確かめたかったからだ。

 19分という意外な短さの演説だったし、中味に特に具体性があったわけではない。しかしこの演説の中には、今後の世界の環境問題、途上国の抱える問題を考えるうえで重要な視点が入っている。オバマの環境に取り組む真摯な姿勢を示す言葉が、少ないがちりばめられているのだ。過去の全大統領の就任演説を検証したわけではない。しかし就任演説の中で「a warming planet」(温暖化する地球)に触れ、自動車を走らせ、工場を稼働させるための「the sun and the winds and the soil」(太陽、風、そして土壌)に触れた大統領はおそらく初めてだろう。

 当コラムで「途上国をも巻き込む世界的景気後退の中で、環境問題が横に追いやられるのではないか」と書いたこともあったが、その後の展開を見るとすでに何回も書いているように、環境はまさに経済政策、景気刺激策の柱になりつつあるように見える。素晴らしいことだ。「グリーン・ニューディール」という言葉自体がそれを表している。

 オバマはこの「green new deal」という言葉自体を今回の就任演説で使ったわけではない。しかし演説を読むと、彼の思考形態の中に「環境」が強い存在感を持っていることがわかる。それはブッシュを頂いていた米国としての環境政策が大きく転換し、それが途上国の環境問題にも大きな影響を与えるだろう事を示している。

 彼の演説の中で気になった文章をいくつか拾っていくと、米国が直面している問題がリアル(現実問題として深刻)であり、「短時間では解決不能」と改めて国民に訴えかけた

 Today I say to you that the challenges we face are real. They are serious and they are many. They will not be met easily or in a short span of time. But know this, America - they will be met.」

 の部分に目がとまった。米国が直面している問題は数多いが、それに取り組むとして、さらに「Starting today, we must pick ourselves up, dust ourselves off, and begin again the work of remaking America.」と述べている。「米国再生の仕事」に取りかかると宣言しているのだ。
 

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この記事の目次
“環境”への視点をがらりと変えた
オバマ就任演説

エネルギー政策 米国

エネルギー技術 再生可能エネルギー

国際協力 途上国支援