異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

中国「08憲章」に入った
“環境保護”

中国の環境問題には発言すべき

 筆者は、「革命宣言」「独立宣言」に類するこうした文章に、「環境保護」が明確に入ったのを初めて見た。勉強不足かも知れないが、中国のような国の体制転換を狙った文章に、こうした認識が入ったことは重要だと思う。これは何よりも、中国の政治改革を狙う知識人にとっても、「環境」がいびつな成長の象徴になっていることを意味している。今年発足する米国のオバマ政権は、環境を政策の柱の一つに据え、中国でも改革を狙う人々の重要政策に入るという大きな展開。

 宣言起草者と、それに当初賛成したのは303人の知識人だが、それへの賛同の輪は急速に広がっている。重要なのは、彼らの中国に対する危機意識が強烈なことだ。宣言の中盤には、

 「統治集団は引き続き権威主義統治を維持し、政治改革を拒絶している。そのため官僚は腐敗し、法治は実現せず、人権は色あせ、道徳は滅び、社会は二極分化し、経済は奇形的発展をし、自然環境と人文環境は二重に破壊され、国民の自由・財産・幸福追求の権利は制度的保障を得られず、各種の社会矛盾が蓄積し続け、不満は高まり続けている。とりわけ官民対立の激化と、騒乱事件の激増はまさに破滅的な制御不能に向かっており、現行体制の時代遅れは直ちに改めざるをえない状態に立ち至っている」

 という文章も見られる。「統治集団」が中国共産党を指すことは明らかである。この文章のなかにも、中国が直面している「自然環境と人文環境の二重破壊」が取り上げられている。中国が将来、どのような政治体制を選ぶかは、われわれのような外国の人間がとやかく言うべきではない。しかし、このコラムで何回も指摘しているとおり、日本には、中国の環境問題に発言する権利がある。風は西から来るからだ。

 そういう意味では、「08憲章」のなかにきちんと「環境保護」が入ったことは、2009年を迎えたこの時期としては、高く評価すべきだろう。
 

伊藤洋一 氏伊藤 洋一 氏 (いとう よういち)

1950年長野県生まれ。現在、住信基礎研究所主席研究員。金融市場からマクロ経済、特にデジタル経済を専門とする。筆者HPは http://www.ycaster.com/

幻冬舎の月刊誌『ゲーテ』、共同通信社、『日経ビジネス』などに書評、エッセイ、評論などを定期寄稿。著書に最新刊として『ITとカースト:インド・成長の秘密と苦悩』(日本経済新聞出版社)、『カウンターから日本が見える』(新潮新書2006年)。その他『上品で美しい国家』(ビジネス社 2006年)、『スピードの経済』(日本経済新聞社 1997年)、『ビッグバン時代のネット活用術』(東洋経済新報社 1998年)、『グリーンスパンは神様か』(TBSブリタニカ 2001年)。訳書に『グリーンスパンの魔術』(日本経済新聞社 2000年)『欧州の挑戦』(時事通信社 1992年)など。

現在出演中の番組は、テレビ朝日「やじうまプラス×2」(毎週木曜日朝6時)、関西テレビ「ニュース・アンカー」(毎週火曜日、番組は午後5時から)、テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」(土曜日、月1回程度)、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」(毎週金曜日朝7時台)、ラジオNIKKEIの「Roundup World Now」、「Asia today」、「マーケット・トレンド」など。

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