異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

経済政策の柱に
立ち位置変える“環境”

2008年12月18日(木)公開
「環境=成長」と言い切ったオバマ次期大統領

 世界における「環境」、または「環境政策」の立ち位置が大きく変化しつつある。そして、この変化をわれわれは歓迎すべきであり、これは途上国についてもまた同様である。

 「立ち位置との変化」とは何か。今までの大勢の考え方はこうだ。

 「成長を抑制しても環境に配慮しなくてはいけない」

 「環境に優しいインフラや工場、生活環境を考えていかねばならない」

 どちらにせよ、成長が前提、当然視される世界にあり、それに手を加えるものとしての環境意識、環境政策だった。そこには、こういう考え方もあった。

 「すでに成長した国は環境に配慮する。成長がまだ興っていない国は、環境よりも成長を優先できる」と。

 この考え方は、特にインドや中国が国際会議の折りに主張したものだ。「今の地球は先進国が汚した。綺麗にする責任も先進国にある」という論理も聞かれた。

 しかし、米国のサブプライムローン問題をきっかけに世界に広がった金融危機は、実体経済の悪化を伴いながら、世界を立ち竦ませている。世界経済は成長を失ったか、そうでなくても失いつつある。異常事態だが現実は否定できない。

 こうしたなかで、多くの先進国で、突然に「環境、環境政策を成長の起爆剤にしよう」という考え方が台頭しつつあるのだ。今までの、環境政策は経済政策の副次的な存在という考え方からの大きな転換である。

 その代表、典型例は1カ月後に正式発足を控えた米国のオバマ次期政権に見ることができる。オバマ次期大統領が選挙戦や、その後の演説のなかで明らかにしている主な経済政策の大枠を列挙すると以下のようになる。

  1. 一世紀に一度の大きな経済危機に対処するため、5000億〜6000億ドルの景気刺激策を実施する
  2. 景気刺激策のなかには、道路や橋の補修、学校のネット化促進などの伝統的な公共事業や公共投資が含まれるほか、
  3. ブッシュ政権とはまったく違う、環境・エネルギー分野への大型投資、
  4. 環境にやさしいエンジンや車の開発など

 が含まれるとされる。むろん、政権発足以前の話だから、詳細は今後詰められることになる。しかし、オバマ次期大統領は2008年12月半ばに、ローレンス・バークレー国立研究所(カリフォルニア州)のチュー所長をエネルギー長官に指名することを公表した際に、「環境・エネルギー分野への投資で雇用を創出できる」とも強調した。そのうえで、近くまとめる追加景気対策が「その手始めになる」とも語った。
 

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この記事の目次
経済政策の柱に
立ち位置変える“環境”

エネルギー政策 日本/米国/欧州/BRICs

エネルギー技術 再生可能エネルギー/太陽光発電