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温暖化国際交渉、COP16の意義
コラム
伊藤洋一の『BRICsの衝撃』
経済政策の柱に
立ち位置変える“環境”
途上国にとっての、このインプリケーションは小さくない。今まで「環境は二の次」「まずは成長」と考えていた中国やインドなどにとって、先進国での「景気刺激策としての環境」という考え方は、大いなる刺激になるはずだ。むろん、先進国でもその確たる将来の姿は見えないから、途上国もとまどいをもってトレンドの変化を迎えるだろう。しかし、先進国での成功例は、途上国の指導者たちの考え方をも変えるだろう。
すでに中国では、サンテックなど多くの太陽光発電装置企業が生まれている。同社の成功物語はよく知られている。オーストラリアで研究をしていた施正栄(博士)という一人の研究者による、2001年年初の起業による会社で、Qセルズと起業のタイミングが似ている。
施博士は中国に戻ってサンテックを設立すると、2005年12月にはニューヨーク証券取引所に同社を上場させ、一躍、大富豪の仲間入りを果たした。同氏の羽振りのよさに刺激されたのか、多くの中国企業が太陽光発電産業に次々と参入したという。
この結果、2006年には、中国国内の太陽電池の年間生産能力は160万kWに達したとされる。問題は、中国が電力不足という深刻な問題を抱えながらも、この太陽光発電装置を使う準備ができていないことだ。だから、大部分が輸出に振り向けられている。中国が、生産された太陽光発電装置を国内で使う準備をすれば、一つの完結した産業として国内で生かせるし、そこからは大きな雇用も生まれるだろう。政策が産業を後押しすれば、途上国でも、ドイツのように再生可能エネルギー産業が大きく伸びる可能性が高い。Qセルズは明らかに、電力会社に高値で電力を買い取る義務を負わせる制度で伸びた。
太陽光発電は一例に過ぎない。今まで途上国にはなかった、環境関連の産業が生まれる可能性もある。これは世界にとってのチャンスである。先進国の景気刺激策の柱としての「環境」を、途上国にも伸ばす努力が今後必要になると思う。
伊藤 洋一 氏 (いとう よういち)
1950年長野県生まれ。現在、住信基礎研究所主席研究員。金融市場からマクロ経済、特にデジタル経済を専門とする。筆者HPは http://www.ycaster.com/
幻冬舎の月刊誌『ゲーテ』、共同通信社、『日経ビジネス』などに書評、エッセイ、評論などを定期寄稿。著書に最新刊として『ITとカースト:インド・成長の秘密と苦悩』(日本経済新聞出版社)、『カウンターから日本が見える』(新潮新書2006年)。その他『上品で美しい国家』(ビジネス社 2006年)、『スピードの経済』(日本経済新聞社 1997年)、『ビッグバン時代のネット活用術』(東洋経済新報社 1998年)、『グリーンスパンは神様か』(TBSブリタニカ 2001年)。訳書に『グリーンスパンの魔術』(日本経済新聞社 2000年)『欧州の挑戦』(時事通信社 1992年)など。
現在出演中の番組は、テレビ朝日「やじうまプラス×2」(毎週木曜日朝6時)、関西テレビ「ニュース・アンカー」(毎週火曜日、番組は午後5時から)、テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」(土曜日、月1回程度)、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」(毎週金曜日朝7時台)、ラジオNIKKEIの「Roundup World Now」、「Asia today」、「マーケット・トレンド」など。
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松本龍・環境大臣(11/02/10) NEW | ![]() |
環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏(10/09/16) |
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経済産業省 大臣官房審議官 有馬純氏(10/08/16) |
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ピュー気候変動センター 国際戦略部長 エリオット・ディリンジャー氏(10/03/25) |
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経済産業副大臣 増子輝彦氏(10/01/25) |
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ブレークスルー研究所 マイケル・シェレンバーガー所長 テッド・ノードハウス会長(09/12/21) |


立ち位置変える“環境”
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