異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

CO2排出量急増のインド
脱石炭は実現できるか?

2008年10月9日(木)公開
日本とロシアをごぼう抜き

 世界各国の二酸化炭素(CO2)排出量を調べていて、一つ驚いたことがある。まだまだ少ないだろうと思っていたインドのCO2排出量が、このところ急速に増えてきているのだ。統計によっては、日本の排出量を上回ったことが示されている。

 例えば今年9月27日に、世界各国のCO2排出量を推測した「グローバル・カーボン・プロジェクト 」の統計。これによると、しばしば報じられているように、すでに中国が米国を抜いて世界最大のCO2排出国になったことが改めて示されている。しかし、それは、ここ1年ほど言われていたことで驚かない。

 驚くのは、インドがこれまで多くの統計で世界第3位のCO2排出国とされてきたロシアを抜いたとされる点。それまでの統計では、第3位がロシア、第4位が日本、そして第5位がインドとなっているものが多かった。そのインドが、日本とロシアを抜いて一気に世界第3位の排出国になりつつあるというのだ。

 数年前の各種統計を見ると、排出量の順位は、おおむね米国、中国、ロシア、日本、インドとなっていた。しかし、この順位は、どうやら、中国、米国、インド、ロシア、そして日本となってきたようなのだ。排出量の統計は、なかなか正確な数値を出しにくいのだが、グローバル・カーボン・プロジェクトなどの権威ある調査機関の数字と順位なら信じてもよいだろう。

 ということは、世界でもやはり人口大国の中国とインドが、急速にCO2排出量を増やし、先進国を抜いて世界最大と第3位のCO2排出国になりつつあるということだ。中国と米国は断トツのCO2排出国だから、インドがすぐに米国を抜いて世界第2位のCO2排出国になることは当面ないが、「CO2を主に出しているのは先進国」というイメージは、まず変えねばならない。世界のCO2排出における中国とインドの存在が、ますます大きくなってきているのだ。

 もっとも、国民1人当たりのCO2排出量では、中国もインドも米国にはるかに及ばない。例えば米国の国民は、中国の国民1人当たりに対して、5.6倍もエネルギーを使っている。その中国は、インドに比べると3倍もエネルギーを使っているのだ。人口1人当たりにしたら中国やインドの順位は低い。にもかかわらず、一つの国として見た場合には、中国は世界最大、インドは世界第3位のCO2排出国になりつつあるのだ。逆に言えば、中国やインドが国民1人当たりで米国並のCO2を排出したら、世界のCO2排出量は手に負えない規模に拡大するということだ。
 

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この記事の目次
CO2排出量急増のインド
脱石炭は実現できるか?

エネルギー技術 化石燃料/クリーン・コール・テクノロジー/原子力発電

エネルギー政策 BRICs

国際協力 途上国支援