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国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が閉幕した。地球温暖化問題における2013年以降の世界の方向を決める重要な会議であり、大排出国・米中の動向や途上国に対する支援システム構築など、注目すべき点は多かった。今回の交渉結果をどのように読み、今後日本はどの方向に進むべきかを提言する。

コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

CO2排出量急増のインド
脱石炭は実現できるか?

2008年10月9日(木)公開
日本とロシアをごぼう抜き

 世界各国の二酸化炭素(CO2)排出量を調べていて、一つ驚いたことがある。まだまだ少ないだろうと思っていたインドのCO2排出量が、このところ急速に増えてきているのだ。統計によっては、日本の排出量を上回ったことが示されている。

 例えば今年9月27日に、世界各国のCO2排出量を推測した「グローバル・カーボン・プロジェクト 」の統計。これによると、しばしば報じられているように、すでに中国が米国を抜いて世界最大のCO2排出国になったことが改めて示されている。しかし、それは、ここ1年ほど言われていたことで驚かない。

 驚くのは、インドがこれまで多くの統計で世界第3位のCO2排出国とされてきたロシアを抜いたとされる点。それまでの統計では、第3位がロシア、第4位が日本、そして第5位がインドとなっているものが多かった。そのインドが、日本とロシアを抜いて一気に世界第3位の排出国になりつつあるというのだ。

 数年前の各種統計を見ると、排出量の順位は、おおむね米国、中国、ロシア、日本、インドとなっていた。しかし、この順位は、どうやら、中国、米国、インド、ロシア、そして日本となってきたようなのだ。排出量の統計は、なかなか正確な数値を出しにくいのだが、グローバル・カーボン・プロジェクトなどの権威ある調査機関の数字と順位なら信じてもよいだろう。

 ということは、世界でもやはり人口大国の中国とインドが、急速にCO2排出量を増やし、先進国を抜いて世界最大と第3位のCO2排出国になりつつあるということだ。中国と米国は断トツのCO2排出国だから、インドがすぐに米国を抜いて世界第2位のCO2排出国になることは当面ないが、「CO2を主に出しているのは先進国」というイメージは、まず変えねばならない。世界のCO2排出における中国とインドの存在が、ますます大きくなってきているのだ。

 もっとも、国民1人当たりのCO2排出量では、中国もインドも米国にはるかに及ばない。例えば米国の国民は、中国の国民1人当たりに対して、5.6倍もエネルギーを使っている。その中国は、インドに比べると3倍もエネルギーを使っているのだ。人口1人当たりにしたら中国やインドの順位は低い。にもかかわらず、一つの国として見た場合には、中国は世界最大、インドは世界第3位のCO2排出国になりつつあるのだ。逆に言えば、中国やインドが国民1人当たりで米国並のCO2を排出したら、世界のCO2排出量は手に負えない規模に拡大するということだ。
 

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2008東京国際環境会議

この記事の目次
CO2排出量急増のインド
脱石炭は実現できるか?

エネルギー技術 化石燃料/クリーン・コール・テクノロジー/原子力発電

エネルギー政策 BRICs

国際協力 途上国支援

電気事業連合会