異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

進行する砂漠化
急成長の影に悩むベトナム

2008年7月24日(木)公開
覆った「緑豊かな国」の印象

 ブラジルやロシア、インド、中国のBRICs諸国以上に、今、注目を浴びているベトナム。そのベトナムに6月、10日間ほど取材に行ったことは、これまでのコラムでも短く触れた。しかし、これまでは大きな話題の関連として取り上げたのみだった。今回から何回かに分けて、そのベトナムを正面に捉えて、その凄まじい経済発展のなかで何が起きているかを書きたい。BRICsを考えるうえでも、ベトナムに続く国々を考えるうえでも参考になると思う。最初は、私にとっても非常に意外だったし、このコーナーの多くの読者にも意外であろうことについてだ。

 まず、位置を確認しておくと、ベトナムは中国の華南のさらに南、ラオスとカンボジアの東にある国で、われわれ日本人からすれば熱帯に限りなく近い国だ。しかも海岸線は非常に長く、北の最大都市ハノイから南の最大都市ホーチミン市(旧サイゴン、ベトナムの人は今でも“サイゴン”と呼ぶ)には、飛行機で2時間以上かかる。札幌と福岡のようなものだ。ベトナム戦争の報道や映画で嫌と言うほど見せられているのだが、われわれ日本人にとって、普通は「緑豊かな国」という印象だ。

 筆者が最近見た映画に「花はどこに行った」がある。米軍のベトナム戦争時の枯れ葉剤散布とその悪影響に鋭く切り込んだ映画だが、そもそも「枯れ葉剤」を撒くということは、その下に「葉」があることを前提にしている。それも「ベトナムは木々がたくさんある国」という認識に繋がっている。私もてっきりそう思っていた。今回の取材で回ったホーチミン市やハノイ近郊について言うと、見た限りでは、ベトナムの緑の量に問題はないように見えた。

 ところがである。通訳兼コーディネーターであるハンさんといろいろ話していて、ベトナムが抱える問題を挙げてもらっていたら、まったく予想外に、彼女が「砂漠化」と言ったのだ。私は最初、彼女が何を言っているのかわからなかった。聞き返したうえで、「ベトナムに砂漠化の問題があるのですか」と聞いてしまった。あまりにも、この国に相応しくない現象のように思えたからだ。長い海岸線、雨の多い熱帯に近い気候。6月なのにベトナムは湿度が高く、非常に暑かった。「そんな国で砂漠化が起きようか」と、私は最初思った。見ていないのだからわからない。

 ハンさんは次のように話し始めた。

 「ベトナムの砂漠化は、伊藤さんが今回は回らないベトナムの中部、それに全体的には西部地方で発生しています」
 

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