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COP15、温暖化交渉を読む
COP15、温暖化交渉を読む
国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が閉幕した。地球温暖化問題における2013年以降の世界の方向を決める重要な会議であり、大排出国・米中の動向や途上国に対する支援システム構築など、注目すべき点は多かった。今回の交渉結果をどのように読み、今後日本はどの方向に進むべきかを提言する。
コラム
伊藤洋一の『BRICsの衝撃』
サミットで考える
「成長の質、支援の中味」
2008年7月10日(木)公開
食の危機が引き起こす政情不安
洞爺湖サミットの最中に、この原稿を書いている。第1回からずっとサミットを見続けているが、今年のサミットほど、中国やインド、ブラジルなどを含む「途上国」の存在が大きく見えることはない。正式参加でなく、お客様として来ているだけに、余計、毎年会合している先進8カ国より大きな存在感が漂う。
その理由はいくつかある。
- 原油相場や穀物価格の高騰の影響を一番受けるのは、ギリギリの所得しかない貧しい人々が多い途上国であり、このまま放っておいては途上国の多くが政情不安になりかねず、先進国としても対処が必要なこと
- 一人ひとりは貧しくとも、人口の多い途上国の経済規模が足早に大きくなり、西側先進国の世界経済における立ち位置が相対的に小さくなっていること。世界経済全体をマネージするうえでも、途上国経済の安定は不可欠になった
- ロシアなど一部の国を除き、農業以外の資源を枯渇させつつある先進国は、まだ未開発の石油、希少金属、鉄、銅などの資源を持つ途上国に取り入っておかねばならない
言うまでもないが、原油相場や穀物価格の高騰は、先進国でも大きな問題だ。世界中で漁業者や農業従事者が断続的に抗議のストをしているし、この二つを背景として、先進国でも久しく静かだったインフレが鎌首をもたげてきている。都市住民の間にも不満感が強い。先進国でも、相対的に貧しい人々が受けている打撃は大きい。それでも、所得と貯蓄のレベルが比較的高い先進国は、まだしのげる。
しかし、途上国はまったく違う。前回、ベトナムのことを書いたが、大部分の労働者は月給1万円前後で暮らし、そのなかから両親に仕送りをしている。エンゲル係数が全般的に高いから、主食の米や小麦の価格が上がると、直ちに“食の危機”に繋がり、これが社会不安と政情不安を引き起こす。日本の近隣諸国でも、遠因を辿ればこうした社会不安の高まりを背景とした騒動が、最近だけでもいくつも起こっている。
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