異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

都市化1000年の幕開け
そのインパクトに備えよ

都市への人口集中は成長のためには欠かせないが……

 国連人口基金のレポートは、非常に興味深い指摘もしている。「工業化段階のどの国といえども、都市化を伴わずに大きな経済発展をとげた例はない」と。その通りである。日本もそうだし、欧州の主要な国もそうだ。都市化、つまり都市への人口の集中が経済発展の原動力になった。まぎれもない事実であるがゆえに、途上国でも、人口が農村から都市へ流れるプロセスは、「不可避であり、しかし同時に、その国にとってプラスである」(報告書)と。国において、「一定程度の都市化なしに経済発展なし」というわけだ。

 ベトナムばかりでなく、中国でも、そしてインドでも、農村から都市への膨大な人口の流入が、今でも続いている。報告書が指摘する通り、「国の成長のためには必要だ」と言われればそうである。しかし、大中国の首都で、間もなくオリンピックを迎える北京でも、都市化に耐えきれないなかでの、あの汚れた空気である。ホーチミンでもハノイでも空気はすさまじく汚れていた。何よりも現地の人々が、女性を中心にマスクで呼吸気管を保護している。

 日本でも、東京のような都市はゆっくりと拡大している。しかし途上国の都市の膨張は常軌を逸する。中国も、今は8億5000万人と言われる農民の都市への移住を進める政策だと伝えられる。農村には、職も収入もないからだ。しかし、重慶や北京の大気を見た私のような人間には、これらの都市に、さらに人口を吸収する力があるのだろうか、と心配になる。

 去年発行されたこのレポートでは、2008年の世界人口は66億人と予測されていた。2008年が始まって6カ月。予想通りに人口が増えているのか、それとも想像を上回って増えているのか、筆者は知らない。しかし、33億の人口を抱えた世界の都市。その都市での人口増加の大部分は途上国で起きている。「それはどういう意味合いがあるのだろう」、と思いながら、ホーチミンやハノイの街を歩いたり、車で移動していた。

 そういえば、昨年の9月に行ったモンゴルでは、200万強の人口の半分は首都のウランバートルに集まっていた。中国の13億の人口の半分が都市に住むとなれば、北京、上海、瀋陽、成都などなどの都市が6億5000万の人口を抱えることになる。

 世界を覆う、特に途上国での都市化の波。「果たして、途上国の都市は、順調に人口を吸収できるのだろうか」と、真剣に心配になった。
 

伊藤洋一 氏伊藤 洋一 氏 (いとう よういち)

1950年長野県生まれ。現在、住信基礎研究所主席研究員。金融市場からマクロ経済、特にデジタル経済を専門とする。筆者HPは http://www.ycaster.com/

幻冬舎の月刊誌『ゲーテ』、共同通信社、『日経ビジネス』などに書評、エッセイ、評論などを定期寄稿。著書に最新刊として『ITとカースト:インド・成長の秘密と苦悩』(日本経済新聞出版社)、『カウンターから日本が見える』(新潮新書2006年)。その他『上品で美しい国家』(ビジネス社 2006年)、『スピードの経済』(日本経済新聞社 1997年)、『ビッグバン時代のネット活用術』(東洋経済新報社 1998年)、『グリーンスパンは神様か』(TBSブリタニカ 2001年)。訳書に『グリーンスパンの魔術』(日本経済新聞社 2000年)『欧州の挑戦』(時事通信社 1992年)など。

現在出演中の番組は、テレビ朝日「やじうまプラス×2」(毎週木曜日朝6時)、関西テレビ「ニュース・アンカー」(毎週火曜日、番組は午後5時から)、テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」(土曜日、月1回程度)、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」(毎週金曜日朝7時台)、ラジオNIKKEIの「Roundup World Now」、「Asia today」、「マーケット・トレンド」など。

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