異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

四川大地震が残した教訓
格差是正と環境保全の努力を

2008年5月29日(木)公開
歴史のある落ち着いた街

 5月12日に発生した四川大地震は、同月27日時点で死者が6万5000人を超え、依然として行方不明の人が2万人以上に及んでいる。「死者の数は最終的に8万人を超えるかもしれない」という温家宝首相の発言が現実味を帯びるまでに至った。近年、まれに見る大災害であり、「(中国という巨大な)途上国の環境問題」という観点からも大きな教訓を残した。

 地震のあった四川省の周辺を、私は2度訪ねている。一度は東京から上海に飛び、飛行機を乗り継いで重慶(四川省に隣接する特別市)に。重慶 を見学した後、三峡下り(西陵峡、巫峡、瞿塘峡)で長江を船で宣昌まで下った。これが2001年の9月で、このときは観光だった。

 もう一回は2004年の3月で、このときは取材だった。ラジオ番組で中国を特集したときに成都(四川省の省都)に行ったもの。この年は、実は1年間で合計3回中国に行った。ほかに訪ねた都市は上海、北京、大連、瀋陽など。

 成都では、発展する中国沿岸部に対して遅れていると言われた四川省など、中国西部に対する中国政府の「西部大開発」がどのように行われているかを取材した。社会科学院を訪ねて何人かの研究員の話を聞き、当時から増え始めた外国企業の中国西部工場の代表選手として、今回の地震でも軽い被害と、それに伴う一時閉鎖が報じられたトヨタの成都工場などを見学した。

 震源地に近いのは重慶より成都である。よって、相対的に被害も大きかったと伝えられる。その成都に対する筆者の印象は、「中国の大都市では珍しく、露骨な開発臭がしない歴史のある落ち着いた街」というものだ。上海などは、開発の喧噪が目にも耳にもつく。しかし成都には、そういった雰囲気はなかった。どちらかというと、静かに、そして着実に発展しているという印象だ。

 成都では2004年の段階で、当時、日本でもまだ取り付けが一部でしか進んでいなかったETC(自動料金収受システム)が、空港から市内に向かう高速道路に装備されていた。なぜか、そのことを鮮明に覚えている。また、取材以外では、麻婆豆腐発祥の店として日本にも進出してきている「陳麻婆豆腐」も思い出す。さらに、街のあちらこちらで、昼間から、男女を問わずお年寄りがマージャン卓を囲んでいるのを興味深く見守ったものだ。
 

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この記事の目次
四川大地震が残した教訓
格差是正と環境保全の努力を

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