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COP15、温暖化交渉を読む
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COP15、温暖化交渉を読む
国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が閉幕した。地球温暖化問題における2013年以降の世界の方向を決める重要な会議であり、大排出国・米中の動向や途上国に対する支援システム構築など、注目すべき点は多かった。今回の交渉結果をどのように読み、今後日本はどの方向に進むべきかを提言する。

コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

顕在化した食糧クライシス
温暖化との関係をサミット討議へ

2008年4月24日(木)公開
世界各地に広がる抗議行動

 極域の氷が消えてなくなり世界的に海水面が上昇するとか、ゴビ砂漠が拡大して、年々、日本に飛んでくる黄砂の被害が深刻になるといったこと以上に、世界は急速にクライシスに向かっているのかも知れない。そのクライシスとは、食糧危機である。  いまだにご飯を残し、お茶碗に付いた米粒を大部分の人が綺麗には食べない余裕のある日本だが、フィリピンでは江戸時代の日本であったような「米騒動」が起きている。「騒動」とは、たった3カ月で主食のコメが30%も値上がりしたことに対する1000人規模での抗議デモを指す。

 「コメが高すぎる、コメが足りない」と騒いでいるのはフィリピンだけではない。インドネシアでも、コメ値上げに対する同じような騒動が起きたし、今のような生産国の輸出規制の動き(エジプトやベトナムなど、国内需要分確保のための)が続けば、国民のなかに占める貧困層の割合が大きな途上国から、相当な社会不安が発生する危険性がある。

 食糧危機はコメだけで生じているのではない。トウモロコシ、小麦、大豆など食糧全般への需要爆発や供給不足で発生しているものだ。この結果、この原稿を書いている4月中旬時点で、ハイチ、カメルーン、エチオピア、メキシコなどでも、何らかの形で食料品の値上がりや不足に対する国民の抗議活動が起きている。いずれも国民の貧困層の割合が大きい国だ。

 食料の値段が上がっても、豊かな国はまだ耐えられる。外貨準備は潤沢だから輸入できるし、輸入価格や販売価格が上がっても消費者の食料品購入総額は、所得全体のせいぜい10〜20%である。むろん、先進国の国民と言っても貧困層は存在するが、全体的には途上国の平均よりエンゲル係数は低い。所得に占める割合が低い豊かな消費者、豊かな国であれば、食料品が値上がりしても、まだ対処できる。

 しかし、貧しい国、貧しい民は別だ。外貨準備の制約から、まず輸入できなくなる。となると、一段と国内価格は上昇するが、そもそも所得の6割とか7割を食料の購入に使っていた都市の貧しい民は、直ちに食料品の値上がりで買えなくなる。買えなくなれば飢えるから、その飢えから来る怒りは政府や社会に向かう。世界中の貧しい国、貧しい民の住む地域で、暴動が起きてもおかしくない状況になる危険性が高まっているのである。日本に住む我々が感じている以上に、世界は口に入れるもので危機に直面していると考えた方がよい。
 

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この記事の目次
顕在化した食糧クライシス
温暖化との関係をサミット討議へ

エネルギー技術 バイオ燃料

エネルギー政策 米国/欧州

国際交渉 サミット

温暖化の影響 異常気象

電気事業連合会