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国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が閉幕した。地球温暖化問題における2013年以降の世界の方向を決める重要な会議であり、大排出国・米中の動向や途上国に対する支援システム構築など、注目すべき点は多かった。今回の交渉結果をどのように読み、今後日本はどの方向に進むべきかを提言する。

コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

毎年30万人が死亡
深刻化する中国の大気汚染

2008年4月10日(木)公開
「南方週末」が報じた30万人死亡の根拠

 より直接的な環境問題に話を戻そう。インドやその他の国の話もしたいのだが、中国つながりで、今回も隣の問題多き大国の話である。海を隔てた隣の国の話だが、何度も指摘しているとおり、偏西風によって中国大陸の空気は日本に飛来する。他人事ではないのだ。

 最近のニュースでは、

 「国内で3月中旬に観測された黄砂に、中国や韓国の工業地帯が発生源とみられる有害物質が付着していたことが、東京大環境安全研究センターの戸野倉賢一准教授らの分析でわかった。

 戸野倉准教授らは3月17〜19日、東大構内で大気中から約5万個の土壌粒子を採取。名古屋大チームが開発した粒子ひと粒ごとの組成を調べることのできる装置で分析した。

 その結果、粒子の2割程度が中国から飛来した黄砂で、その大半に硝酸塩や硫酸塩が付着していたことがわかった」

 というのがあった。4月4日のYOMIURI ONLINEが報じたものだが、有害物質のなかには「発がん性物質が、今後見つかる可能性もある」(戸野倉准教授)という。恐ろしい話だ。

 その中国の大気は、かなりの部分が日本に飛来すると上空を通り過ぎる。日本自身の問題なのである。喫煙者の隣にいる人間が、自分では煙草を吸わないのに喫煙被害に遭うようなものだ。

 そうしたなかで、筆者が最近で一番深刻だと思ったニュースは、中国の新聞「南方週末」が、専門家の話などをもとに報じたもの。それによると、「中国都市部での大気汚染による毎年の死者の数が約30万人に達している」というのだ。共同通信の配信によって日本の各紙に掲載された。

 驚くべき数字だが、「南方週末」は、根拠もなくこの数字を報じているのではない。そもそもは、中国環境保護省環境計画院の趙越博士が書いた「大気汚染による健康への影響に関する論文」をベースにしたものだという。具体的に言うと、調査の結果、中国では2004年に都市部で約35万8000人が死亡し、約64万人が呼吸器と循環器系の病気で入院、約25万6000人が慢性気管支炎になったという。中国は広く、大きな都市が多いといっても、この数字は尋常ではない。
 

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