異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

毎年30万人が死亡
深刻化する中国の大気汚染

「成長の源」だけでなく「大気汚染の源」でもある中国

 筆者は過去1年以上、中国に行っていない。しかし、それ以前に、北京や重慶、上海、成都、瀋陽などを実際に訪問した印象から言えば、こうした報道に接しても違和感はない。数字を発表しているのは、どれも信頼できる機関(調査、報道)だ。だから筆者は自分で調べられないことを承知しながら、「実体はその通りか、それに近いんだろう」と思う。

 実は、私が行った中国の大都市で一番大気が綺麗と感じたのは、海に面した遼東半島の先にある大連だ。唯一、綺麗な空が見えた。3年前の話だ。しかし、それでも桜が綺麗だった先週末の東京の空気には負けていた。その他の中国の主要都市は、重慶や北京を筆頭に「ここの空気を長くは吸っていたくない」と思う都市ばかりだった。重慶では本当に逃げ出したい気持ちになったものだ。北京も薄く曇っているようだった。あそこでオリンピックをやるというのだから、選手が“おののく”のは、よく分かる。

 昨年末から、中国の株価は大きく下落している。インフレが高進して、当局が引き締め措置を強めている状況もあるだろう。しかし、それだけではなく、「毎年30万人が死亡」といった形で、中国の成長のパターン、つまり、とにかく作って、それを輸出して外貨を稼ぐという経済の発展の形そのものが、限界に達していることを株式市場が察知している可能性が高いと思う。

 日本では今のところ、中国を「成長の源」と見る向きが多い。その中国は、また日本にとっては「大気汚染の源」でもあることを十分認識し、それも対中国外交の柱に据えなければならないだろう。光化学スモッグなど起こりそうもない五島列島で、ここ数年、実際にそれが起きていることは、その警告的な兆候である。
 

伊藤洋一 氏伊藤 洋一 氏 (いとう よういち)

1950年長野県生まれ。現在、住信基礎研究所主席研究員。金融市場からマクロ経済、特にデジタル経済を専門とする。筆者HPは http://www.ycaster.com/

幻冬舎の月刊誌『ゲーテ』、共同通信社、『日経ビジネス』などに書評、エッセイ、評論などを定期寄稿。著書に最新刊として『ITとカースト:インド・成長の秘密と苦悩』(日本経済新聞出版社)、『カウンターから日本が見える』(新潮新書2006年)。その他『上品で美しい国家』(ビジネス社 2006年)、『スピードの経済』(日本経済新聞社 1997年)、『ビッグバン時代のネット活用術』(東洋経済新報社 1998年)、『グリーンスパンは神様か』(TBSブリタニカ 2001年)。訳書に『グリーンスパンの魔術』(日本経済新聞社 2000年)『欧州の挑戦』(時事通信社 1992年)など。

現在出演中の番組は、テレビ朝日「やじうまプラス×2」(毎週木曜日朝6時)、関西テレビ「ニュース・アンカー」(毎週火曜日、番組は午後5時から)、テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」(土曜日、月1回程度)、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」(毎週金曜日朝7時台)、ラジオNIKKEIの「Roundup World Now」、「Asia today」、「マーケット・トレンド」など。

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