異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

中国の「政治と環境」

2008年3月13日(木)公開
「ギョーザ事件」の幕引き図る中国

 「餃子」をめぐる日本と中国のやり取りを見ながら、今回の食品の安全に関わる問題を含めて、黄砂や大気汚染など数多くの日中間の環境問題は、「どちらが正しいか」という建前だけの、きれいごとでは解決できない「政治問題」であるということを、改めて認識した。

 日本側が国内での事件と同じように、その原因、背景などを事実に基づいて科学的に検証しようとしたのに、中国側がある日突然、「中国側の責任ではない」との、「まず結論ありき」の発表をして、この問題を封印するかのような政治的決着に持ち込もうとしたことである。日本側の指摘した、密封した袋の内側から農薬が検出されたという問題については、「10時間もたてば袋に浸透する」と発表。しかし、その具体的な実験データが示されたわけではなかった。

 中国側は、無論、これが「政治的発表」だとは言わない。しかし、事態の推移に興味を持って、固唾を呑んで見守っていた私のような人間にとっては、「中国側は、政治的幕引きを狙った」と映った。

 忖度するに、中国は今回のギョーザ事件に関して、次のような理由で一応の幕引きを急いだのだろう。

  1. ただでさえ、空気や水など環境面での懸念が大きい北京オリンピックを控えて、「大丈夫だ」と太鼓判を押したはずの食品で、あらためて世界的に懸念が高まることを防ぐために、この問題に素早く決着を付けたかった
  2. 調べれば調べるほど、日本側に瑕疵がなかったことを認めざるを得ない状況に追い込まれる前に、急遽発表し、国内的にも対外的にも中国の立場を印象づける必要性があった

 中国国内の政治情勢も、密接に関連している可能性がある。例えば、捜査当局と輸出検査などを担当する部局の確執がある。日中両国の捜査当局の協力がうたわれた直後に、「中国側には責任はない」という不自然な発表をすること自体が唐突であり、中国側が抱える問題を露呈したように見える。自信があったら、じっくり調査に応じたはずだ。今後も細々と続けられる調査の結論を見守る必要があるが、私には今はそう見える。
 

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