異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

─いかに考えるべきか─
インド、中国の原発大国への道

「安全な原発」に協力すべきか

 問題は、日本、または日本人として、今後、中国やインドなどの開発途上国に大規模に登場するであろう原子力発電所をどう見るかである。

 今の世界を見ると、太陽光発電や風力などの再生可能エネルギーに重きを置き、原子力発電所を今後はつくらない方針のドイツと、原子力ルネッサンスが叫ばれ、今後、原発建設に力を入れていく方針の米国に色分けされる。こうしたなかで、中国とインドは明らかに米国の道を選びつつある。それは、再生可能エネルギーの発展を待つより、原子力発電の一基当たりの大きなパワーに電力不足解消の決め手を見つけているということだろう。発展途上国としては、当然の選択かもしれない。

 日本も総電力量の30%前後を原発に依存している。その日本でも、原発は報じられるとおりトラブルの多い存在であり、日本国民の不安を誘っている。

 では、中国やインドなどで大規模に何十基、何百基という原子力発電所ができる事態が起きたときに、日本はどうすべきだろうか。その原発が安全になるように技術協力すべきだろうか、それとも国全体の技術レベルが届いていないから、中国やインドには「原発はまだ早い」と言うべきだろうか。

 洞爺湖サミットを控えた日本の削減努力に関する議論も進まないうちに、世界の情勢は激しく動いている。中国とインドという2頭の巨象の接近は、シン首相と胡錦濤主席の会談で顕著だが、さて日本として、この問題をどう考えるのか。筆者は、この2頭の巨象はどちらにせよ、当面は原発への依存を高めると思う。だったら、「両国にとっての安全な原発」の建設に協力すべきだと思うが。
 

伊藤洋一 氏伊藤 洋一 氏 (いとう よういち)

1950年長野県生まれ。現在、住信基礎研究所主席研究員。金融市場からマクロ経済、特にデジタル経済を専門とする。筆者HPは http://www.ycaster.com/

幻冬舎の月刊誌『ゲーテ』、共同通信社、『日経ビジネス』などに書評、エッセイ、評論などを定期寄稿。著書に最新刊として『ITとカースト:インド・成長の秘密と苦悩』(日本経済新聞出版社)、『カウンターから日本が見える』(新潮新書2006年)。その他『上品で美しい国家』(ビジネス社 2006年)、『スピードの経済』(日本経済新聞社 1997年)、『ビッグバン時代のネット活用術』(東洋経済新報社 1998年)、『グリーンスパンは神様か』(TBSブリタニカ 2001年)。訳書に『グリーンスパンの魔術』(日本経済新聞社 2000年)『欧州の挑戦』(時事通信社 1992年)など。

現在出演中の番組は、テレビ朝日「やじうまプラス×2」(毎週木曜日朝6時)、関西テレビ「ニュース・アンカー」(毎週火曜日、番組は午後5時から)、テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」(土曜日、月1回程度)、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」(毎週金曜日朝7時台)、ラジオNIKKEIの「Roundup World Now」、「Asia today」、「マーケット・トレンド」など。

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この記事の目次
─いかに考えるべきか─
インド、中国の原発大国への道

エネルギー技術 原子力発電

エネルギー政策 日本/BRICs

国際協力 途上国支援