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国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が閉幕した。地球温暖化問題における2013年以降の世界の方向を決める重要な会議であり、大排出国・米中の動向や途上国に対する支援システム構築など、注目すべき点は多かった。今回の交渉結果をどのように読み、今後日本はどの方向に進むべきかを提言する。

コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

カーストと貧困のインド[後編]

「貧富の固定化」が生む課題

2007年11月15日(木)公開
カースト意識の希薄化は進んでいるが……

 前回、インド社会に深く根づいているカースト制度は、現状肯定的、社会制度維持的な方向性を色濃く持っていると書いた。もっとも、カースト制度がインド社会に深く根づいていると言っても、カーストが人々の意識のなかに占める位置は、都市と農村では大きく違う。ニューデリーやムンバイ、コルカタなど大都市では、何かの特別な機会がなければ、自分が付き合っている人がどのカーストの出身かを知らないで過ごすケースが多いようだ。私がニューデリーでインタビューしたインドの学生たちも、「都会では普通、相手のカーストなど知らなくても過ごせるし、実際に知らない」と述べた。日本もそうだったように、都会は田舎のしがらみをしばしば隠してくれる。

 ただし、インドに詳しい人によれば、カースト意識の希薄化は進んでいるものの、姓があるかないかや、あっても特徴的な名前であったりすると、その人がどのクラスの人かは漠然とわかるという。長い歴史から見れば、インドで大都市が生まれ始めたのはごく最近だし、大都市に住む人間をすべて集めても2億人にも届かない。11億人の中の2億人であり、残りの9億人が住む田舎や農村地帯では、「カースト」の意識は強いし、地方ではその人がどこに住んでいるかでかなりわかるというのが現実だ。

 カーストの大まかな区分は前編で触れた。しかし実際には、「ヴァルナ」と呼ばれる「肌の色による差別体系」(白色系人種であるアーリア人がインド西北部に侵攻してきた際にインドの先住民族であるドラビダ族等の有色人種と自らを区別するためにつくりあげた制度と言われる)に加えて、「ジャーティ」という身分制度もインドには存在する。ジャーティとは職業別の身分差別で、この二つが複雑に絡み合っているのが現状である。
 

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