異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

深刻化する
インドの水不足

2007年10月18日(木)公開
深い井戸を掘れるのが豊かな農家

 インドの環境問題と言ったら、まず「水不足」を取り上げるのが自然だろう。いろいろなことを聞いたし、この目でもしっかりと見てきた。

 2005年末から2006年初めにかけて、私はインドで2006年正月を迎えた。インドに入ったのが2005年の12月26日、インドから帰ってきたのが2006年の1月4日の早朝。インドには2004年の正月に行って、「この国は定点、定時観測すべきだ」と決めていた。ニューデリーから入って IT(情報技術)産業のメッカ、バンガロール(今の名前はベンガルール)に行き、その後インドの商都とも言われたコルカタ(カルカッタ)で大晦日を過ごし、そして再びニューデリーに帰って東京に戻ってくるというコース。

 帰国も近づいた1月2日のニューデリーは、夕方が雨だった。その時は、ニューデリーで旅行業を営むチャタルジー夫妻と一緒だったのだが、インド北部のこの季節には、「雨は極めて珍しい」と彼らは言った。私は、実は3回合わせて、延べ20数日間インドに滞在しているが、確かに本格的な雨を見たのはこれが最初で最後。結構強く降って、この乾いた首都と土地には慈雨だな、と他人事ながら思ったものだ。

 実は2006年の1月2日のニューデリーでは、朝、猛烈な雷が鳴った。宿泊したトライデント・ヒルトンは、中庭に池のある綺麗なホテルなのだが、あまり雷の音が大きかったので、寝ていた私もうっすらと意識を取り戻して「あれ、テロかもしれないな……」と思った記憶がある。それは、チャタルジーさんの奥さんであるクミさんも同じだったそうだ。当時、インドにはテロ予告がいろいろ出ていた。しかも、3回大きな雷鳴があった。夕方にも雷が鳴ったが、夕方は雨も来た。夕方には雨が来たので、納得ができる雷鳴だった。

 そんなこともあり、インドに来る前にNHKが、「インドの農家が井戸を掘って必要な水を得ているが、その水位が徐々に下がって、深い井戸を掘れる豊かな農家とそうでない農家の差が大きくなった。その結果、離農する人も出ている」という番組をやっていたのを思い出していた。確か車の中でそんな話をしたのだと思う。そしたら、チャタルジー夫妻が「井戸の水位が下がっているのは農村だけではない」と、ニューデリーの話をしてくれたのだ。

火力発電所とウランバートルの空

大河の流れるイメージとは逆に、インドは想像以上に乾いていた。都市でも農村でも、井戸の水位は下がるばかりだという
 

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