


COP15、温暖化交渉を読む
コラム
伊藤洋一の『BRICsの衝撃』
「爆発的発展」と「貧困」の共存=インド
引き続き、自分の目で見たこと、現地で聞いたことを中心に書く。中国やモンゴルが続いたので、しばらくインドを。
この人口10億人を超える国には、去年まで合計3回行った。最初は2004年の正月で、私にとって最初のインドへの旅。最初なので観光もしたが、主目的ではなかった。中国を接近追尾して経済成長しているインドの現状、抱える問題点、成長のポテンシャル、投資チャンスなどを見るのが目的だった。
次が2005年の年末から2006年の年始にかけて。この時は正月をインドで迎えた。ムンバイ(ボンベイ)の芸能界からダンサーを迎えてのホテルの年越しが新鮮な思い出だが、2004年の最初のインド訪問で「この国は定点・定期観察の必要あり」と判断したことが足を向けさせた。最も直近のインドへの旅は2006年の6月。NHKのBSの代表的番組である「地球特派員」の特派員として10日ほど。前2回の訪問では見られなかった、農村地帯や中小都市でのインドの教育の実態を探った。番組で行くことのメリットは、個人ベースではなかなか行けないところに行けることだ。
インドに行くたびに強くした思いは、インドは「幻の遠方の国」などではなく、実にリアルに成長と貧困が混在し、喧噪と静けさが同居し、そして一定のインターバルを置いて必ず大きなテロが発生する国だということだ。
日本には古代からインドの情報は入ってきていた。しかし、日本人が接したインド情報は、つい最近まで間接的な、人伝のものだった。つい最近まで、日本人にとってインドは、言ってみれば遠くから蜃気楼のなかに見ているような国だった。事実、インドでは数多くの宗教が生まれ、悟りを開いた人々の話が伝わった。日本人とは違った環境の国、という意識が最初から強い。
椎名誠の『わしもインドで考えた』という本の表題に現れているように、「インドで考えると、別のアイデア、人生観が生まれる」という一種の神話が日本にはあったし、今もあるように思う。確かにインドほど、日本からかけ離れた文化を多様に持つ国は少ない。インドは、日本から来ると異質な国であり、多様な民族、多様な言葉、そして多様な習慣がある。日本人は、しばしばインドでは水にも、そして食べ物にもあたって体調を壊す。



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