異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

「オリンピック」と「輸出」

中国が直面する成長の壁

2007年8月23日(木)公開
IOCのロゲ会長が記念式典を前に言及した「大気の汚れ」

 引き続き、中国の事を書く。

 前回、「今の中国を見ていると、環境への悪影響を忘れて成長だけに邁進しても、必ず成長の壁にぶち当たると筆者は思う」と書いた。ところが「成長の壁」以前に、環境を問題の核にして、中国は大きな壁にぶち当たりつつある。世界でも最も華々しい祭典であるオリンピックで、全種目が予定通りできるかどうかという喫緊の問題と、消費者への配慮に欠ける中国輸出製品に対する世界的忌避の動きだ。そして後者は、成長が欲しい中国経済を、長きにわたり揺さぶりかねない問題だ。

 北京オリンピック開催に対するIOC(国際オリンピック委員会)の懸念の背景には、中国の環境問題そのものが横たわっている。私が最後に北京に行ったのは2004年の秋だが、その時でも北京の空気は粉塵をかなり含んでいる印象がした。とにかく、少し先のビルがぼやっと見えるのだから強烈だった。晴れた日だったのに。

 3日ほどしかいなかったし、たまたまその季節の天候のせいかもしれないとも思ったが、その後の北京の空気に対する国際的懸念の高まりを見ていると、「自分の感じた思いは特別ではなかった。やはり北京の空気は酷いと言える」という判断に達した。重慶の空気の悪さには前回触れた。それほどには酷くはないが、北京では車の多さと空気の悪さに圧倒された。

 スポーツ選手が危機感を持つ空気の汚さとはどのようなものだろうか。想像するしかないが、北京の街を地下鉄を利用して歩いて回った私にして、「息苦しい街だ」と思ったくらいだ。だから、酸素消費量が多い、したがって大量の空気を体内に取り込んで激しい運動をする選手が、歩くだけの人間より空気の質が気になるのは容易に想像がつく。

 IOCのロゲ会長は2007年8月、北京五輪の開催を1年後に控えたカウントダウン式典出席のため北京入りした際、「北京の大気汚染問題が解決されなければ、屋外開催の耐久スポーツを延期する可能性もある」と、米CNNテレビとのインタビューで爆弾発言した。カウントダウン式典に際してのIOC会長の言葉とは、とても思えない。盛り下げもよいところの発言だ。北京市当局は、この発言に、もっぱら沈黙している。
 

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