異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

制約に直面する高成長=中国、インド

今のやり方で経済発展は続くのか

 インドは、中国ほど空気が汚いと感じたことはない。しかしそれは、インドが中国に比べると、まだ発展段階が遅れているからだとも考えられる。インドの都市を移動すると、そこらじゅう、掘り返している。道路などインフラの整備に、膨大な資金が投じられている。当然CO2を出すセメント生産も、これからさらに増えるだろう。インドの大気も汚れるのは時間の問題だ。

 この二つの国に行くと、いつも思うことがある。彼等は「環境への配慮」をしていたら経済発展が遅れる、貧しい民が豊かになれない、と言う。しかし、私は逆に思う。今のやり方での経済発展が続けられるのか、と。

 恐らく無理だ。中国では水資源、水質を巡って住民の大規模な暴動まで起きている。インドでも水を巡る争いがしばしば起こる。空気の汚染が中国、さらにはインドで進んだ場合に、赤ん坊に及ぼす影響に関しては、日本がすでに経験したことではなかったのか。

 二つの巨大な途上国が「豊かになりたい」という気持ちは分かる。当然だ。しかし、今の経済成長路線には、いずれにせよ「持続性」(sustainability)がない。我々が彼等のために、そして日本のために出来ることは何か。そういう問題意識を持って、暫く、中国とインドの経済成長と環境に関わる問題をこのコラムで取り上げていきたい。
 

伊藤洋一 氏伊藤 洋一 氏 (いとう よういち)

1950年長野県生まれ。現在、住信基礎研究所主席研究員。金融市場からマクロ経済、特にデジタル経済を専門とする。筆者HPは http://www.ycaster.com/

幻冬舎の月刊誌『ゲーテ』、共同通信社、『日経ビジネス』などに書評、エッセイ、評論などを定期寄稿。著書に最新刊として『ITとカースト:インド・成長の秘密と苦悩』(日本経済新聞出版社)、『カウンターから日本が見える』(新潮新書2006年)。その他『上品で美しい国家』(ビジネス社 2006年)、『スピードの経済』(日本経済新聞社 1997年)、『ビッグバン時代のネット活用術』(東洋経済新報社 1998年)、『グリーンスパンは神様か』(TBSブリタニカ 2001年)。訳書に『グリーンスパンの魔術』(日本経済新聞社 2000年)『欧州の挑戦』(時事通信社 1992年)など。

現在出演中の番組は、テレビ朝日「やじうまプラス×2」(毎週木曜日朝6時)、関西テレビ「ニュース・アンカー」(毎週火曜日、番組は午後5時から)、テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」(土曜日、月1回程度)、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」(毎週金曜日朝7時台)、ラジオNIKKEIの「Roundup World Now」、「Asia today」、「マーケット・トレンド」など。

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