|
今年の携帯電話でホットな話題は、次世代携帯電話ではない。従来型の携帯電話に追加された「Java機能」だ。携帯電話上でも、パソコンのようにソフトウエアを動かせるようにするJavaの技術は、携帯電話で「できること」を拡大した。これは携帯電話に初めてiモードが搭載された時以来のインパクトである。
携帯電話向けのJavaをいち早く商品化したのは、業界最大手のNTTドコモだ。2001年1月、同社はiモード端末の3代目「503iシリーズ」で、「iアプリ」と呼ぶJavaサービスを開始した。
その後、NTTドコモは503iシリーズのラインナップを拡大。今年5月末時点でiアプリ対応機の契約台数は約300万台に達し、単月では過去最高のヒットを飛ばしている。
しかしiアプリにも弱点はある。ユーザーにとって一番物足りないのはコンテンツの表現力。「Javaと言って騒いでも、しょせんこの程度か」とがっかりしたユーザーも少なくないだろう。
追撃するJ-フォン、au
ソフトサイズで違いを強調
 |

今年のビジネスシヨウで
参考出展されたカシオ計
算機製のJava対応端末
|
NTTドコモを追撃するJ‐フォンとauが、こうしたiアプリの「脆さ」を見逃すはずはない。両社はiアプリの問題点を解消し、さらにユニークなJavaサービスを展開しようと目論んでいる
両社がiアプリとの差別化のポイントとして掲げたのは、コンテンツの表現力を大きく左右するソフトウエアのサイズだ。iアプリの10キロバイトに対して、J‐フォンは3倍の30キロバイト、auは5倍の50キロバイトまで拡大している。
わずか数十キロバイトの差とあなどるなかれ。このクラスのソフトサイズでは、コンテンツの内容や見た目にも非常に大きな差となって現れてくる。
例えばコナミが提供する野球ゲーム「パワフルプロ野球」の場合、iアプリ版では投げて打つだけで、ボールを追いかける守備はできない。このため、野球ゲームとしての面白みにやや欠ける。ところが、J‐フォン版では守備も可能になる。芝生の色も微妙なグラデーションを出しており、それなりの迫力がある。
さらにタイトーEW事業本部の木村潤課長は、「ゲームの世界では、ソフトのサイズが5割増えると、内容は3〜5倍に広がる。それが容量で3倍になるのだから、どれだけすごいことか想像してもらえるだろう」と話す。
ソフトのサイズ以外でも、各社は違いを打ち出している。J‐フォンはゲームやエンタテインメント分野に強い拡張仕様を多数採用し、auはチャットや対戦ゲーム、ビジネス向けグループウエアで応用可能なコミュニケーション機能を強化している。
同じJavaという土俵で戦っていても、各社のターゲットユーザーやJavaに対する考え方の違いによって、仕様がかなり異なっているのだ。今後、Javaが大きな争点になることで、携帯電話各社の方向性の違いがはっきり見えてくる。Javaが携帯電話選びの新基準となるのは間違いない。
|