Last update 2006/11/16
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事例

●カブドットコム証券は、2001年4月に三和銀行系(当時)のイー・ウイング証券と伊藤忠商事系の日本オンライン証券が合併して発足したネット証券会社だ。2006年1月にはさらにMeネット証券(旧東京三菱TDウォーターハウス証券)が合併し、同社は現在、MUFGグループ(三菱UFJフィナンシャル・グループ)の一員として、インターネットを中心としたオンラインでの証券取引サービスを提供している。
●同社は2006年9月15日から、内閣総理大臣の認可を受けた国内初の競売買(オークション)方式による夜間取引市場を開設する。この夜間取引市場は「kabu.com私設取引システム[kabu.comPTS(Proprietary Trading System)]」と呼ばれる仕組みで運営されるもので、東京証券取引所のような「取引所」ではなく、「証券会社」であるカブドットコム証券自身が開設するネット上の株取引市場だ。取引所での売買と同様に、取引高に応じて株価は変動することになる。
●こうした同社独自のサービス提供を支えているのが、自社で開発し、運用する情報システムの活用だ。2006年4月には、BCP(事業継続計画)を目的としたオンライン・バックアップも実現した。同社への情報システム活用への取り組み、事業継続に対する考え方などについて、カブドットコム証券 取締役 代表執行役社長の齋藤 正勝 氏に話を聞いた。

聞き手/土屋 泰一
文/ナッツコミュニケーション
写真/新関 雅士


 夜間取引市場の開設は
あくまで「付加価値サービス」の一環として提供するもの

──始めに、御社が明日(2006年9月15日)から開始される夜間取引市場の概略について、教えてください。

齋藤 正勝氏
齋藤 正勝氏
齋藤(以下、敬称略):  一言でいえば、「東証(東京証券取引所)のような証券取引所が、夜間も動いている」というイメージです。

 これまでにも他の証券会社が提供する夜間取引のサービスはありましたが、それらは「値が動かない」もので、仮にある会社の証券取引所における株価の終値が5万円だったとすれば、従来の夜間取引市場では5万円でしか買えないし、5万円でしか売れません。売りも買いも、証券取引所でのその日の終値で取引されるのです。株取引というよりも、投資信託の取引に似ています。

 これに対して我々が提供する夜間取引は、PTS(私設取引システム)によるオークション形式のもので、取引所で売買するとの同様に株価が変動します。例えば、取引所でのA社株の終値が1000円だったとすると、その後、私たちのPTSに入ってきた人たちの間で買いが進めば、株価は1100円や1200円に上がるでしょうし、逆に売りが進めば、900円、800円と下がってくる、ということです。

 株価を決めることができるというのは、これまで証券取引所の“特権”でした。しかし今回、当社がPTSで開設する夜間取引市場は、この「株価を決めることができる」という意味において、“証券取引所”と同等ということができます。ここが、今までの夜間取引市場とは最大に異なるところです。


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齋藤 正勝 (さいとう・まさかつ)氏

 1966年5月生まれ。
 多摩美術大学卒業。
 野村システムサービス、第一證券を経て、1998年、伊藤忠商事株式会社へ入社。
 オンライン証券設立プロジェクトに参画し、その後、同プロジェクトによって立ち上げた日本オンライン証券株式会社に情報システム部長として入社、取締役に就任。
 2001年、カブドットコム証券執行役員に就任。
 2004年より代表執行役社長。
 2005年6月より取締役を兼務。

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